【BMW X7 新型】セダンの頂点はコンサバ、求められたSUVのフラッグシップ…商品担当

BMW X7
BMW X7全 16 枚

ビー・エム・ダブリュー(BMWジャパン)は、同社のSUVラインナップの頂点を極める『X7』(BMW X7)を発表した。このクルマはセダンラインナップのトップ、『7シリーズ』と双璧に位置づけられるという。

7シリーズが競合

BMW X7BMW X7

現在BMWでは昨年12月にスペシャリティモデルの『8シリーズ』、続いて同カブリオレを導入。続いて大幅に改良したサルーンの『7シリーズ』、SUVの『X7』とラグジュアリーセグメントモデルを積極的に導入している。あえてこれまでなかったSUVセグメントにまでラグジュアリーモデルを登場させたのか。

BMWブランドマネジメントディビジョン・プロダクトマーケティングプロダクトマネージャーのデックスビクター・ファンウネン氏は、まずX7のターゲットユーザーから説明する。「BMWとしては7シリーズもX7も、それぞれのセグメントの最高峰だ」としたうえで、「7シリーズがコンサバすぎるというお客様がターゲット」という。「7シリーズを検討しているお客様の中にはコンサバすぎなので、もう少しモダンなイメージのSUVなどを求める人もいる。例えば若いIT系の社長などだ」。しかしBMWでは現在『X5』や『X6』となり、「(7シリーズより)ランクが下となってしまう。そういったお客様にはこのクルマはぴったりだ」と説明する。

BMW X7BMW X7

確かに7シリーズであればショーファーカーとして捉えがちだろう。ファンウネン氏もそのあたりは認めたうえで、「X7もキャプテンシートにすればショーファーカーとしても十分活躍できる。運転してもよし、ショーファーカーとしてもよしと幅広いお客様に訴求できるクルマだ」と話す。そして、「X7で一番強調したいところも2列目が独立2座となったコンフォートシートだ」と述べた。

ファンウネン氏は、「セダンは大事なボディセグメントだが、この10年、SUVセグメントが伸びており、ラグジュアリーSUVがなぜないのかという声も多くあった」。投入したX7は、「少し遅れた感もないではないが、しかしそこはBMWらしいただ単に大きなSUVを作るのではなく、そのマーケットに合ったクルマを提供している」と話す。

BMW X7BMW X7

具体的を挙げると、BMW史上最大のボディサイズを誇るX7だが、実は全幅のみX5より狭いのだ(X5:2004mm、X7:2000mm)。X5はよりマッシブなイメージを強調するためにバンパー周りやボディ断面に凹凸をつけた結果の全幅であるのに対し、X7はよりシンプルで水平なラインでエレガントさを強調。その結果、全幅が抑えられているのだ。

また、X5とX7の差別化については、「X5はドライバーを中心とした駆け抜ける喜びを提供するもの。X7は乗員全員の到着する喜びだ。2列目を含めてどのシートに座っても、旅を楽しむことができる。これが一番のベネフィットだ」とコメント。X7のフロアは傾斜がつけられており、セカンドシートはフロントよりも高めに設定されている。「BMWはドライバーを中心に考えるクルマが多いのだが、X7は乗員全員が快適に、かつ最高なドライビングの楽しみを提供することができるクルマだ」とした。

BMW X7BMW X7

“あの”フラッグシップとはまった共通点はない

さて、BMWグループには様々なブランドが属するが、その中には自動車メーカーの最高峰とも例えられるロールスロイスがあり、SUVの『カリナン』がラインナップされている。その関係性について尋ねると、「プラットフォームを含めて全て違う。部品ひとつも一緒ではない」と即答。「カリナンが先に出たのは少し悔しいくらいだが、カリナンとX7の共通点はゼロといってもおかしくはない」と述べた。X7のプラットフォームは、X5やX6のものをベースにしており、カリナンは全く違うベースなのである。

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《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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