スマホで呼び出し、無人で駐車場から出庫…クラリオンが最新技術を披露 テックショー

「自動遠隔出庫システム」スマホを介したコマンドにより、クルマを無人で呼び寄せることとができる
「自動遠隔出庫システム」スマホを介したコマンドにより、クルマを無人で呼び寄せることとができる全 17 枚

フォルシアグループ傘下のクラリオンは7月8日、自社の最先端技術を報道関係者に披露する「テック・ショー」を開催。自動車の「自動遠隔出庫システム」を国内で初めてデモを公開した他、コネクテッドやオーディオ関連技術も複数披露され、見応えのあるイベントとなっていた。

スマホで呼び出すと車が無人で指定場所までやって来る!

「自動遠隔出庫システム(Long Range Summon)」は、この日のイベントで最初に紹介された。クラリオンのカメラによる画像認識技術と日立オートモティブシステムズの車両制御技術を組み合わせることで実現したもの。今年1月に米国・ラスベガスで開催されたCESで初めて披露されているが、日本国内では初披露となる。

このシステムはアメリカなど広い敷地を持つ宅地や大型ショッピングモールなどで、クルマを見通せない場所に駐め、指定位置までクルマを呼び出すことを想定している。車両は一度走行したルートは自動記録して、それ以降は無人で走らせることが可能。特に荷物をたくさん持っている時や天気が悪い時などで便利さを実感できるという。

対応した車両は日産『フーガ』で、これに周囲360度を映像として認識する4つのカメラと、周辺の状況を把握する12個のソナーを搭載。また、把握していたルート上になかった障害物や歩行者は「LiDAR(ライダー)」によって検知することができる。車両の呼び出しには専用アプリをインストールしたスマートフォンを使う。

この日のデモでは、ドライバーがスマートフォン(スマホ)でクルマを自分がいる場所まで呼び出すシーンを想定。スマホで呼び出すコマンドを送ると、約30mほど離れた場所に駐めていたマイカーが無人状態(デモでは緊急時の対応のためドライバーが乗車)で動き出した。その後、ルート上にあった障害物を避け、クルマの前を歩行者が横切ると一時停止。その後、予定場所まで無事に到着することができた。「HOME IoT」コマンドを認識して実行した状態「HOME IoT」コマンドを認識して実行した状態

車内から自宅のエアコンをON/OFF。「HOME IoT」など新技術も披露

続いて体験したのが「HOME IoT」で、クラリオンが提供してきたクラウドサービス「Smart Access」と、スマートリモコン「Nature Remo」を組み合わせて車内から、たとえばエアコンのON/OFFを可能にする。車載機側は2018年以降に発売されたインテリジェントボイス対応のクアッドビューナビで、音声でコマンドを入力することで対応できる。

次世代音響技術により、かつてない高品位オーディオシステムとしたのが「3D-Pure Sound Surface System 」。内装部材を振動させて音を再生するエキサイターとクラリオンのフルデジタルサウンド「FDS」の技術を融合させた。デモではエキサイターだけとFDSを追加した時の音の違いなどを体験。それぞれの特徴を引き出すことで、新たなサウンドの方向性を見出すのに最適なデモとなっていた。Androidをベースとしてナビや音声認識、コネクテッドサービスを統合した車内インテリア「Voice-Activated Cockpit」Androidをベースとしてナビや音声認識、コネクテッドサービスを統合した車内インテリア「Voice-Activated Cockpit」

「Connected Premium Sound Technologies」は、4席の乗員状況をカメラによって検出し、それぞれの乗車位置に応じた最適な音場環境を自動設定する技術。カメラによって個別認証ができるため、運転者を特定してあらかじめ把握されている好みの楽曲を自動再生することもできる。

その他、Androidをベースとしてナビや音声認識、コネクテッドサービスを統合した車内インテリア「Voice-Activated Cockpit」や、撮影は不可だったが、フォルシアが開発してきた技術をベースに、クラリオンが参画して新たな次元をもたらした技術を体験。フォルシアが高効率化を目指して19年後半にも実用化を予定している燃料電池システムも紹介された。

《会田肇》

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