【DS 3クロスバック 新型】装備、安全面で他車を凌駕、都市生活者も使いやすく

DS 3クロスバック
DS 3クロスバック全 16 枚

プジョー・シトロエン・ジャポンは4月より先行受注を行っていた『DS 3クロスバック』を正式に発表、販売を開始した。

デザインでのこだわりはDSならでは

DS 3クロスバックDS 3クロスバック

DS 3クロスバックの発表に際し、同社マーケティング部商品企画グループDSプロダクトマネージャーの水谷昌弘氏はDSブランドのプロダクトバリューの説明から始める。「デザインは常に先鋭的。動的パフォーマンスと快適性のバランス。先進テクノロジーをステージングエフェクト、すなわち演出を伴っての搭載。そして吟味されたマテリアルと細部に渡る品質感へのこだわり」がその成り立ちだという。

それらを踏まえ、DS 3クロスバックは誕生した。都市生活者の為に、全高を1550mmに抑え、旧来の立体駐車場にも入庫できるようにしている。また、SUVらしく、グランドクリアランスは185mm確保した。

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デザインについて水谷氏は、フロント周りから話を始める。「DSウィングの定石を踏まえつつ、昨今のトレンドとなっているグリルを立体的に見せる装飾手法を採用。そしてある種、有機体を思わせるような独特の目力を持つ、DS初のマトリクスヘッドライトを搭載。DSウィングをつなぐデイタイムライトはDS7クロスバック同様、最上級インテリアの縫製に用いられるパールトップステッチをモチーフにしている」という。

またフラッシュサーフェス処理したドアノブはセグメント初。リアドアパネルのシャークフィン形状は、3ドアのDS3から受け継いでいる。「ウェザーストリップを隠し、ドアパネルとガラスが接合しているように見せているのが目新しいポイントだ」と水谷氏。

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さらにリア周りでは、水平方向に伸びやかにレイアウトされたリアランプユニットと、左右をつなぐクロームにより、『DS 7クロスバック』から始まった「新世代DSのリアビューを象徴している」という。

インテリアに目を向けると、DS 7クロスバックに採用されているアナログ時計こそないものの、「ダッシュボード中央にはダイヤをかたどったスイッチ類やエアアウトレットが目を引く」。また、両端のエアアウトレットはドアトリムに配置することで、「ワイドな視覚効果を与えている」。また「DSならではのクルードパリ模様が随所を飾る」と説明。

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装備面も手抜きなく

先進技術としてはセグメント初となる装備が3つ挙げられる。ひとつは全グレードに標準装備されたキーレスエントリーシステムだ。これは、キーの接近を検知してドアハンドルをポップアップさせるもので、「見せるテクノロジーのひとつ」と水谷氏。車両側のセンサーがキーとの距離を計測。3m以内に近づくと自動的に検知し、1.5m以内でロックが解除されリトラクタブルドアハンドルがせり出てくる。また、乗員がドアを閉めて3分後には、ドアハンドルは自動的に収納。手動での操作も可能だ。さらに、発進後10km/hに達する前にドアハンドルは収納される。そして、キーを持ったドライバーがクルマから2m以上離れるとドアは自動的にロックされる仕組みだ。

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次にマトリクスLEDビジョンがある。これはDS初の常時ハイビームで幻惑させないもの。3つのロービームモジュールとひとつのハイビームモジュールで構成される。このハイビームモジュールは、15のクラスターに分かれており、独立して点滅をコントロール。周囲の明るさを検知して市街地と判断されるとロービームで走行。交通量の少ない郊外に出ると自動的にハイビームに切り替わる。対向車や前方を走行する車両の部分だけを消灯することで、他のドライバーを幻惑することなく最大の夜間前方視界を得ることができる。

3つ目は高速道路での走行を想定したドライバーサポートの進化だ。DSドライブアシストと名付けられたこのシステムは、「先行車両との車間と車線内のポジションを統合保持するシステムで、いわばアダプティブクルーズコントロールだ」という。渋滞などで前方の車両が停止した場合、一定の車間を保ったまま停止し、3秒以内であれば前車に追従して自動的に再発進。DS7クロスバックの持つDSコネクテッドパイロットから進化した点は、「道路上の白線が片側しか明確でない場合でも、横方向のポジションをキープできること。またミリ波レーダーのアップグレードとマルチパーパスカメラの感度を上げることで、サイクリスト検知が可能になり、かつ夜間の精度を上げた」と説明した。

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新プラットフォーム採用

今回採用されたプラットフォームも新型だ。「EV時代を見据えた新プラットフォームをPSAで初採用。今後グループのEMP2よりコンパクトなモデルに展開されていく」と述べる。

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搭載されるエンジンは1.2リットル3気筒ガソリンで最高出力は130ps。欧州規制ユーロ6.3適合バージョンだ。また、PSAのBセグメントで初めて8速オートマチックを搭載している。安全面では、ユーロN-CAPで五つ星の評価を与えられている。

日本に導入される機種体系は3つ。ベーシックなBe Chicにはモンマルトルというインスピレーション(内装グレード)を採用。ブラックダッシュボードにブラックファブリックのシート組み合わせだ。次にSo Chicはブロンズ主体のバスティーユ。「コクピットがより斬新なイメージになるほか、シートには部分的にテップレザーを使いクオリティを高めている」と水谷氏。このグレードにはLEDヘッドライト、ドライブアシスト、アクティブブラインドスポットモニターなどをパッケージ化したオプションが用意される。

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最上級のGran Chicには、ブラックレザーシートが標準。足元も18インで引き締めオーディオもグレードアップ。「ラグジュアリーらしい充実した装備を誇る」という。

ドイツ車では飽き足らない諸氏に

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DS3クロスバックのポジショニングについて水谷氏は、「日本車ではBとCセグメントの間くらいにあるSUVだ」と説明。欧州車では「同じフランスやイタリアメ、一部ドイツブランドなど」とし、「強みは全て。特にアクティブセーフティブレーキは140km/hからでも作動することなど、ADAS系に関しては引けを取らない」と安全性が高いことを強調。

今回発売前に全国のDS店舗に展示するロードショーを開催。そこでの来場者層は、「多方面から来ているが、ドイツ車では飽き足らない方々。また街で同じクルマとすれ違いたくない方々」と個性をより重視するユーザーだとする。また、今回のイベントの傾向として、「DS 3クロスバックのイベントに来場したにも関わらず、サイズが全く違う『DS 7クロスバック』を見て、こちらもいいと選ばれることもあった。お金というよりはデザインなどの好みで選ばれているようだ」と分析。「当然装備は他社と同等レベルかそれ以上ということもあり、DSは珍しいので選ばれるお客様が多い」とのことだ。

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DS 7クロスバックが導入されて1年、「抜きん出たデザインや洗練さと技術的コンテンツへのこだわり、素晴らしいコンフォートなどの特徴全てを引き継ぎDS3クロスバックはDSブランドの歴史を継承している」と紹介するのは同社代表取締役社長のクリストフ・プレヴォ氏だ。そして、「乗るたびに新たな発見があることだろう。ぜひよく観察して、試して、そして触ってみてほしい」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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