京急、オープンイノベーション拠点を開設…次世代の交通インフラの構築目指す

京浜急行電鉄のオープンイノベーション施設「AND ON SHINAGAWA」
京浜急行電鉄のオープンイノベーション施設「AND ON SHINAGAWA」全 4 枚

京浜急行電鉄は7月11日、同社所有の高輪エンパイヤビルにオープンイノベーション拠点を開設し、報道陣に公開した。同施設はベンチャーキャピタルのサムライインキュベートとオフィスの仲介などを手がけるヒトカラメディアと共同で運営される。

施設の名称は「AND ON SHINAGAWA(アンドオン品川)」で、「AND(コラボレーション/共創)とON(重ねる/実装)、on and on(続く)という意味を込めてつけた」(京急新規事業企画室の橋本雄太氏)そうだ。

橋本氏によると、暮らしをより豊かにするイノベーションの創出と、その成果物の社会実装を進めていく活動拠点とのことで、“モビリティ変革”“MaaS”とその周辺領域に特化し、デジタル・テクノロジーを活用した次世代インフラの構築と関連するサービスの創出を目指していくという。

施設は24時間利用可能で、専用デスク36席、共有デスク20席、会議室1室、イベントスペースがあり、複合機、ポスト、ロッカー、自動販売機のような無人コンビニなどが備わっている。利用金額は専用デスクが月4万円、共有デスクが月2万円で、創業間もないスタートアップ企業を中心に30社ほど会員を募集する。

会員企業は京急や大企業のパートナー企業の経営課題などを題材にしたワークショップをはじめ、専門家による講演会、サムライインキュベートによる短期集中型のオープンイノベーション・プログラム、テーマ領域に関連するビッチイベントなどに参加できる。場合によっては、サムライインキュベートから出資も受けられるそうだ。

京急、サムライインキュベート、ヒトカラメディアの3社は、この施設を起点にスタートアップ企業、起業家、投資家、大企業などが相互に連携し、循環しながら新しい価値を生み出す仕組み、いわゆる“イノベーション・エコシステム”を形成を進め、スタートアップと大企業などによるオープンイノベーションの加速と、その成果物の社会実装、暮らしを豊かにする価値の創造を図っていく。

なかでもその成功を切に願っているのは京急と言っていいだろう。というのも、京急沿線は人口が減り、そのうえ少子高齢化で既存のビジネスだけではじり貧になりかねない状況に陥っているからだ。それだけにここでの成果をなんとか社会実装し、沿線を活性化したいところだ。AND ONは今後の京急にとって大きなカギを握っていると言っても過言ではない。

《山田清志》

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