【バイク“名刀”対決】伝家の宝刀「スズキ カタナ」と、二刀流「ヤマハ ナイケン」を比較試乗

伝家の宝刀「スズキ カタナ」と、二刀流「ヤマハ ナイケン」を比較
伝家の宝刀「スズキ カタナ」と、二刀流「ヤマハ ナイケン」を比較全 31 枚

スズキ『カタナ』はスーパースポーツ譲りの1000ccDOHC4バルブ並列4気筒エンジン、フロント二輪のヤマハ『ナイケン』は900ccのDOHC4バルブ並列3気筒エンジンを積む。どちらもいま注目の大型スポーツモデルだ。実はこの2台には意外な共通点があった。

【画像全31枚】

日本刀と2本の剣

スズキ カタナ(KATANA)スズキ カタナ(KATANA)
古来より伝わる伝統武具である“日本刀”をデザインモチーフとして、ソリッドでシャープなイメージを投影したスタイルを持つスズキ「カタナ」。侍が刀を振る公式プロモーションビデオでも、鍛錬された鋭利な日本刀の風格がデザインエッセンスに用いられていることがアピールされ、特に海外の人には強いインパクトとともに和のテイストも印象深いだろう。

ヤマハ ナイケンヤマハ ナイケン
「ナイケン」は“2本の剣”(二剣)を意味する造語で「NIKEN」と書く。つまり独自のLMWテクノロジーから誕生した、大胆かつ先進的なボディにあるフロント二輪からイメージされたもので“二刀流”に例えたのだった。このネーミングもまた海外の人が由来を知れば、日本の伝統や卓越した技術を感じるはずだ。

日本刀に使われている技法は鍛冶技術の集大成であり、名刀は日本の国宝や重要文化財にも指定され、数百年経っても錆びることなく美しい刀身を私たちに見せてくれる。優れた武器であると同時に美しい芸術品であり、さらに日本人の精神性を象徴するものとしても受け継がれてきた。1981年に誕生した初代「GSX1100S KATANA」も40年近くが経とうとしても、その輝きを失っていない。

どちらも切れ味は抜群!気になるのはタンク容量?

スズキ カタナ(KATANA)スズキ カタナ(KATANA)
新型カタナは腰高で、着座位置が前寄りにあって積極的にフロント荷重をかけている。前傾姿勢がキツくならないアップハンドルのおかげもあって少ない入力でも車体が素直に動き、特に初期旋回がクイックなハンドリングとしている。

ユーザーらの意見のなかで、不安視しているのは12リットルの燃料タンク容量。燃費は17~20km/リットルで、つまり航続可能距離は200km強となる。これをどう受けとるかは選ぶ人次第だが、筆者はさほど気にならない。

スズキ カタナ(KATANA)スズキ カタナ(KATANA)
比較対象が外国車でジャンルが異なるかもしれないが、ハーレーダビッドソンのスポーツスター(フォーティーエイトなど)が備える伝統的なタンクは7.9リットルしかない。高速道路を走ればサービスエリアのたびに給油することになり、幾度となくそれを経験してきたが、その美しいフォルムがあるのなら許せてしまう。

ベースとなった「GSX-S1000」のタンク容量が17リットルなだけに、頷けない気持ちもちろんよくわかる。

ヤマハ ナイケンヤマハ ナイケン
一方、ナイケンは前二輪ならではの圧倒的な接地感があり、フロントからスリップするという不安感がまったくない。それでいて軽快な旋回力を味わえ、モーターサイクルならではの人車一体となって操る感覚が失われることなく、安定した走りが楽しめる。ちなみに燃料タンクの容量は18リットルだ。

30年後に「名刀」と評価されるのは

両車ともエンジンは低中速域から充分すぎるほどにトルクフルで、高回転域では気持ちよく伸びる。サウンドも高揚感のあるもので、エキサイティングな気持ちを盛り上げてくれる。

奇しくもいま、日本のバイク市場に“名刀”が揃った。刀鍛冶職人は精魂込めてつくり出すが、スズキとヤマハ、両エンジニアたちの想いもきっと同じ。10年、いや30年後、名刀としてより高く好評されているのはどちらなのだろうか。

スズキ カタナ(KATANA)スズキ カタナ(KATANA)

ヤマハ ナイケンヤマハ ナイケン

スズキ カタナ
■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★★
オススメ度:★★★★★

ヤマハ ナイケン
■5つ星評価
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★
オススメ度:★★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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