【トヨタ APM】東京オリンピックまでに衝突被害軽減ブレーキも搭載予定[動画]

東京2020オリンピック・パラリンピックで活用される専用EV「APM」
東京2020オリンピック・パラリンピックで活用される専用EV「APM」全 13 枚

トヨタ自動車は7月18日、2020年東京オリンピック・パラリンピック(以下:オリパラ)で使用する専用の電気自動車(EV)を報道関係者に公開した。公開した車両はベース車の試作第1号で、東京オリンピック・パラリンピック開催までに衝突被害軽減ブレーキの搭載を予定していることも明らかになった。

【画像全13枚】

最高速度は19km/hだが、公道を走ることも可能

発表したのは「APM(アクセシブル・ピープル・ムーバー)」という専用モビリティで、新国立競技場などの競技会場内においてラストワンマイルの近距離輸送用として使われる。競技会場の敷地内や選手村などで観客や選手などはじめ、高齢者や障害者など移動にサポートが必要な人の“足”として活用するために開発された。

車両の最高速度は19km/h、満充電状態での航続距離は約100km。バッテリーは床下に収納され、駆動用モーターを最後部に配置する後輪駆動を採用。車両は公道を走ることも想定して開発されており、必要に応じてナンバー取得も可能だという。東京オリンピック・パラリンピックでの提供台数はベース車を150台、救護仕様車50台の計200台を計画する。

ベース車の輸送可能人員は運転者を含む最大6名で、最前列は運転者のみ、2列目に3名、3列目に2名が乗車できる。運転席と乗客席はいずれも両側からアクセスでき、乗客席の両サイドの乗り降り補助バーを設置。2列目は車椅子利用時や荷物を積む時などに折りたたむことが可能となっている。車椅子での利用も想定して車いす固定用のベルトを装備し、床下にはスロープを収納した。

運転席は左右いずれからもアクセスしやすいよう中央に配置し、さらに乗客の乗降をサポートできるようにシートポジションを高めに設計されている。APMは全周囲ドアがないため、雨天時はピラーに収納したカーテンを使う。なお、シートベルトは最高速度が19km以下であることで、装着義務の適用外となるため非搭載となる。

救護仕様車は、後方から救護用ストレッチャーが出し入れできる仕様となっており、ストレッチャーは2~3列目の半面にそのまま載せて固定できる。その隣には救護スタッフ用として2席分のシートが用意されている。また、東京オリンピック・パラリンピックが夏に開催されるということで熱中症患者が出た時のことを想定し、頭の部分には冷風が送られるクールスポットも準備されるという。

ボディサイズはベース車を含め、全長3940×全幅1620×全高2000mmとコンパクトで、最小回転半径4.8mの取り回しがしやすい設計。公開時にAPMを動かしたドライバーによれば、「運転席が高い位置にある上に、ドアがないことで見通しがすべて利くので後退時でも運転はとてもしやすい。さらに前方左右のフロアが斜めにカットされているために幅寄せも楽にできる」と語っていた。

今後はテストを繰り返し、衝突被害軽減ブレーキも搭載予定

開発を担当したトヨタEVファクトリーの谷中壮弘氏によれば、「ベースとなっているのはトヨタが今後計画している小型EVのプラットフォームで、小型軽量なEVを目指したために後輪駆動を採用している」という。車輪は13インチの汎用タイヤを使用し、タイヤ交換も外側のカバーを外すことで簡単に行える設計。充電は運転席左側にあるソケットを使い普通充電で行う。満充電になるまでの所要時間は200Vなら6時間ほど、100Vでは契約アンペア数にもよるが15時間以上はかかる見込みだという。

谷中氏は「公開した車両は試作第1号で、テストイベントなどを通じて評価改善を進め、大会でしっかり使ってもらえるモデルに仕上げていく」と話し、さらに「現在は衝突被害軽減ブレーキなどADASには一切対応していないが、提供する車両にはそういった機能も追加していく予定でもいる」と述べた。

トヨタはこのAPM以外にも大会サポート用として多数の車両を用意する計画だ。

《会田肇》

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