【トヨタ スープラ 新型試乗】期待したとおり“鋭く曲がる”…工藤貴宏

【トヨタ スープラ 新型試乗】期待したとおり“鋭く曲がる”…工藤貴宏
【トヨタ スープラ 新型試乗】期待したとおり“鋭く曲がる”…工藤貴宏全 34 枚

軽量スポーツと錯覚するほど軽い身のこなし

トヨタ スープラ 新型 RZグレード(直6モデル)トヨタ スープラ 新型 RZグレード(直6モデル)せっかく気合を入れてスポーツカーを作るなら、危険な香りがするくらい鋭く曲がったほうが刺激的で楽しい。

新型トヨタ『スープラ』の出来栄えは素晴らしく、そんな期待を裏切らなかった。車両前部が重い6気筒エンジン搭載車は物理特性として曲がり始めが苦手だが、新型スープラはタイトでツイスティな峠道を走ってもそんなことを感じさないほどシャープに切り込み、軽量スポーツカーかと錯覚するほど軽い身のこなしが印象的だ。

もちろん「危険な香りがするくらい」といっても、香りがするだけであって、実際にはオーバースピードに気を付け、スタビリティコントロールを作動させている限り危険な目にあうことはない。

絶対的な速さと官能性の「6気筒」

トヨタ スープラ 新型 3.0L B58 直列6気筒エンジントヨタ スープラ 新型 3.0L B58 直列6気筒エンジン新型スープラは6気筒エンジンのほかに、スープラ史上初となる4気筒エンジン搭載モデルが“現時点では日本専用車”として用意される。6気筒エンジンの魅力は、絶対的な速さと官能性だ。

340ps(チーフエンジニアの多田氏いわく「カタログ値は340psだが実力はさらに高い」)を発生するBMW謹製3.0リットルターボの速さはさすが。それに加えてアクセルを踏み込むほどパワーが湧きだしてくるような躍動感と高回転パンチ力、そして吹け上がりの気持よさがなんとも刺激的。加えて響き渡るエンジン音も爽快だ。アクセルオフ時に「バババッ!」と発生する排気系の爆発音も楽しすぎる。

ひときわ鋭く軽快な「4気筒」

トヨタ スープラ 新型 2.0L B48 直列4気筒エンジントヨタ スープラ 新型 2.0L B48 直列4気筒エンジンいっぽうで4気筒の魅力は、ひときわ鋭い曲がり方。物理特性として6気筒より有利だから、さらに鋭く切れ込んでいく軽快なハンドリングを楽しめる。

4気筒エンジンには「SZ-R」に搭載する258ps版と「SZ」に搭載する197ps版があるが、どちらも峠道でパワー不足を感じるようなことはない。乗り比べれば速さの違いがわかるが、それよりも「SZ-R」のほうが高回転でのパンチがあることでいっそう走りを楽しくしていると感じた。そのうえ、マフラーから発する音の演出も「SZ-R」のほうが迫力と遊び心がある。

最後に走りとは全く関係ない話だが、公道で試乗したスープラは乗り心地が良好なことに驚いた。これは想像していなかった美点だった。

トヨタ スープラ 新型 直6モデルRZ(手前)と直4モデル SZ-R(奥)トヨタ スープラ 新型 直6モデルRZ(手前)と直4モデル SZ-R(奥)■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

工藤貴宏|モータージャーナリスト
小学校高学年から自動車雑誌を読みはじめ、1日でも早く運転したくて18歳誕生日の翌日には仮免許を取得したクルマ好き。大学在学中から自動車雑誌でアルバイトを始め、自動車専門誌編集部在籍後、編集プロダクションを経てフリーランスライターに。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。愛車はフランス製ホットハッチと、ディーゼルエンジンを積んだSUV。

《工藤貴宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 真夏のダッシュボードが20度以上低下!? 驚きの遮熱サンシェード新時代[特選カーアクセサリー名鑑]
  2. メルセデスベンツの新型高級ミニバン『VLE』、プロトタイプの写真を公開
  3. 『アトレーRS』ベースで力強い走り! 軽キャンピングカー「HAPPY1 Turbo」585万円で発売
  4. スズキ『エブリイ』が災害時は「シェルター」に、軽キャンピングカーの新たな可能性
  5. 世界最強の2.0ターボ搭載車に幕、メルセデスAMG『CLA 45 S』最終モデルが登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
ランキングをもっと見る