【鈴鹿8耐】ファクトリー復活2年目のレッドブルホンダ、5年ぶりの優勝奪還へ

Red Bull Honda
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2018-2019 FIM世界耐久選手権最終戦“コカ・コーラ"鈴鹿8時間耐久ロードレース 第42回大会のレースウィークを迎え、ホンダのファクトリーチーム、Red Bull Hondaの3ライダーが顔をそろえた。5年ぶりの頂点奪還へ向けたホンダの夏が始まったのだ。

2018年、ホンダは10年ぶりにファクトリー体制を復活させて鈴鹿8耐に臨んだ。全日本ロードレース選手権JSB1000クラスに参戦するホンダのエースライダー、高橋巧を筆頭に、MotoGPライダーの中上貴晶、そしてスーパーバイク世界選手権(SBK)ライダーのパトリック・ジェイコブセンという強力な布陣を敷いた。

しかし、2018年の鈴鹿8耐でホンダファクトリーが手にしたのは、2位という結果。決勝後の会見で、ライダーたちに笑顔はなかった。

それだけに、Red Bull Hondaが2019年の鈴鹿8耐にかけるものは大きいだろう。今年は高橋に加え、HRCテストライダーのステファン・ブラドルとSBKに参戦する清成龍一というライダーラインアップ。エースとしてチームをけん引する高橋は、これまでに3度の鈴鹿8耐優勝経験を持つ。高橋は全ての事前テストに参加し、マシンのセッティングを進めてきた。

その高橋が信頼を寄せる清成は、鈴鹿8耐で4度の優勝を飾っている。鈴鹿8耐での戦い方を知るライダーの一人だと言えるだろう。清成にとってはホンダファクトリーからの鈴鹿8耐参戦は、2008年以来。ちなみに、清成は今年、優勝を飾ることができれば、鈴鹿8耐での最多優勝記録タイに躍り出る。一方、ブラドルは鈴鹿8耐初参戦。耐久仕様のホンダ「CBR1000RRW」への適応、3人のライダーで共有するマシンのセットアップ、速さのみならず堅実さが必要とされるレース運びなどを迫られる。

高橋「みんな同じような方向を向いている」

Red Bull Honda 高橋巧
ライダー3人がそろったレースウィークを迎え、高橋は予選前日の7月25日、「比較的、みんな同じような方向を向いていると再確認できた」と語った。

「(24日の公式合同テストは)清成さんに長い時間乗ってもらって、僕はほとんど乗りませんでした。とりあえず、方向性の確認はできたと思います」

ここまでマシンを作り上げてきた高橋は「みんなが乗りやすいマシンにしたかった」と言う。高橋はホンダ「CBR1000RR SP2」を駆り、全日本JSB1000で目下、4連勝中。しかし耐久レースである鈴鹿8耐は、スプリントレースとはまた違ったマシンの仕様ともなり、違ったセッティングが求められる。セッティングでは3人のライダーが1台のマシンを走らせるため、一人のライダーの好みに特化することは難しい。鈴鹿8耐で多くの経験を持つ高橋が、その部分によく心を砕いていることを感じさせる言葉だった。

「スプリント(全日本JSB1000)ではしっかり結果が残せていますから、そんなにひどいマシンではないんじゃないかと思って乗ってもらっています。もちろん好みは違いますから、セッティングは個々でやりたいでしょうけど。3人一緒に走る機会がレースウィークになってしまったので、そういう部分をアジャストしていって、少しずつみんなが乗りやすくなればいいと思います。レースポテンシャル的には、そんなに悪い状態ではないと思います。あとはセッティングですね」

そんな高橋とともに鈴鹿8耐に挑む清成は、旧知の仲。また、鈴鹿8耐の経験が豊富な清成だからこそ、必要なものをよく理解していた。

「最近の鈴鹿8耐では3人のライダーが走ることが多いですよね。そうすると、一人でもセッティング、バイクに対して不満を言う人が少なければ効率がかなり変わるんです。僕は乗り込んで、フィーリングをよくしていくタイプなので、そちらを優先させてもらいました。走行時間も、走り込む時間にさせてもらっています」

「僕は(高橋)巧を昔から知ってるので、彼のセッティングを知っているし、そのセッティングで何度も乗っています。ある程度の方向性はわかっているつもり、というのもありますね」

初参戦のブラドル「速ければいいというものじゃない」

トップタイムのNo.33 Red Bull Honda
鈴鹿8耐に何度も参戦し、幾多の優勝経験を持つ高橋と清成に対し、初の鈴鹿8耐参戦となるのがブラドルだ。

「(7月25日までの時点で)2回テストをした。僕にとっては、感覚をつかみ、準備をするのにとても重要なことだった。2回目のテストと、昨日にロングランをしたのだけど、これも重要だった。それで精神的、肉体的に準備ができたよ。というのも、暑い中で行われるタフなレースだからね。準備が大事なんだ。準備は万端という感じだよ」

HRCのテストライダーを務めるブラドルは、MotoGPマシンと鈴鹿8耐マシンを交互に乗らねばならなかったという。7月上旬に行われたMotoGP第9戦ドイツGPでは、ホルヘ・ロレンソ(Repsol Honda Team)の代役として参戦。さすがにスムーズなマシン乗り換え、とはいかなかったらしく若干の苦労をにじませもした。ただ、耐久レースの走りについてはつかんでいる様子だ。

「マシンに慣れるのは、最初はそう簡単ではなかった。ライディングスタイルが違うし、僕はMotoGPマシンと鈴鹿8耐マシンとを何度も乗り換えているから。耐久レースでは安定性が必要だから、ペースは抑えないといけないよね。速ければいいというものじゃないのだし」

初の鈴鹿8耐のレースウィークを迎え、3人のチームメイトが初めて顔をそろえた。高橋と清成の印象について、ブラドルは「キヨ(清成)はとてもおもしろくて、みんなを楽しませる。すごくいいやつ。オープンで、経験も豊富だ。高橋もそうだよ」と口角を上げる。

「チームの雰囲気はとてもいい。(耐久レースは)チームワークだからね。コミュニケーションがとても重要なんだ。できる限り、いい雰囲気をつくってレースに臨みたいね」

鈴鹿8耐ウイナーの座を奪還すべく、Red Bull Hondaの2019年鈴鹿8耐が始まった。

《伊藤英里》

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