パワートレインの柔軟性を確保した、ZFの第4世代8速トランスミッションと新ユニット

ZFの4世代目8速AT
ZFの4世代目8速AT全 6 枚

自動車の電動化は一夜にして成し遂げられるものでもなければ、内燃機関→ハイブリッド→PHV→EVという変革が一方通行的に行なわれるものでもない。今後は内燃機関、ハイブリッド、PHV、EVなどのパワートレインが併存する時代が長く続き、そのなかでそれぞれの比率がじわじわと変化していくと予想されている。

【画像全6枚】

ここで重要になるのがパワートレインの柔軟性だ。つまり、ニーズに応じて内燃機関、ハイブリッド、PHVを自在に作り分けられるプラットフォームが求められることになる。こうしたニーズに応えるため、ZFが新たに開発したギアボックスが第4世代の8HPトランスミッションである。

ZFは2009年にコンベンショナルな内燃機関もしくはマイルドハイブリッドのどちらでも使える第1世代の縦置きエンジン用8速ATを市場に投入。続いて2011年にはハイブリッドとコンベンショナルが使える第2世代を、さらに2018年にはPHVとコンベンショナルに使える第3世代を発売してきたが、今回の第4世代ではコンベンショナル、マイルドハイブリッド、PHVのいずれでも使える柔軟性を確保。しかもPHV仕様では80~100kmのEV航続距離を実現するという。

しかも、どの用途でも外寸は基本的に同じとされているうえに、第3世代のPHV仕様では外付けとされていたモーターのパワーエレクトロニクス系が第4世代ではギアボックス内に収納されており、スペース効率は格段に向上している。このギアボックスは2022年に発売されるBMWの新型車に搭載されてデビュー。同じギアボックスの供給について、ZFはFCAとも合意に達したという。

電動化技術の究極的な姿がEVやFCVなどのゼロ・エミッション・ビークルだろう。ZFは、このうちEVにフォーカスをあて、従来は無段階式が多かったEV用パワートレインを2段変速式としたユニットを新たに発表した。変速機構にはプラネタリーギアを使用。変速機能により発進加速性能や追い越し加速性能が10%改善されるほか、最高速度は160km/hから215km/hへと伸び、しかも効率(機械損失)は5%程度改善されるので、同じバッテリーのまま航続距離を5%伸ばすのもいいし、同じ航続距離のままバッテリー容量を5%縮小してもいいとZFは説明する。

どちらも革新的技術というよりは従来技術の進化版。ただし、こうしてパワートレインがユニット化されれば、自社ですべてを開発できない自動車メーカーに電動化への足がかりを提供することができる。その意味でも重要な技術といえるだろう。

《大谷達也》

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. マツダの新型「FRスポーツ」開発始動! 特許公開、次期ロードスターかアイコニックSPか?
  2. 三菱自動車、7年ぶり復活『パジェロ』シリーズにHV導入も[新聞ウォッチ]
  3. トヨタ『ルーミー』が10年ぶりの刷新…次期型はハイブリッド化か?
  4. 日産『フェアレディZ NISMO』に改良新型、6速MT追加…GT-R譲りのブレーキも採用
  5. トヨタ『GRスープラ』790台をリコール、始動しない&火災のおそれ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 自動運転開発の分野で高まるNVIDIAとAWSの存在感、日本メーカーは中国のスピード感に対抗できるのか【AWS オートモーティブ AI イノベーション フォーラム】
  2. 居眠り・脇見を監視、「DMS」を義務化…乗用車は2031年から、バス・トラックではすでに普及
  3. 電動車は誰が最後まで面倒を見るのか…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木光 氏[インタビュー]
  4. ホンダの交換式電池、建設現場で実証…高さ385mの「トーチタワー」
  5. 「日本vs中国」だけでは語れない、電動化で競争は新たな段階へ…「GIIAS 2026」に見るインドネシア自動車市場の現在地
ランキングをもっと見る