地下構造物は把握しにくいもの…九州新幹線西九州ルートの工事ミスで発覚した官製地図の誤り

試掘ボーリングの位置。鉄道・運輸機構では、長崎市の都市計画図を基に発注用の図面を作成したが、長崎トンネルの位置については、国土地理院の地図を基にしていたという。
試掘ボーリングの位置。鉄道・運輸機構では、長崎市の都市計画図を基に発注用の図面を作成したが、長崎トンネルの位置については、国土地理院の地図を基にしていたという。全 2 枚写真をすべて見る

石井啓一国土交通大臣は8月2日に開催された定例会見で、九州新幹線西九州ルートの工事ミスで発覚した「官製地図」の誤りについて言及した。

7月11日、九州新幹線西九州ルートの建設工事に伴なう渇水対策用井戸の試掘ボーリングの機器先端部分と、長崎本線浦上~現川(うつつがわ)間の長崎トンネル内を走行中の特急『かもめ16号』が接触した事故では、工事主体である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が国土地理院の地図を基に作成した工事用図面に、長崎トンネルの位置がボーリングの施工現場から誤って80mほど離れているように記載されていことが判明しており、官製地図の精度が問題視されていた。

会見では、山陽本線の関門トンネルの位置が実際より南に50m程度ずれていたことも判明しており、そのことを公表しないまま地図が修正されたことが指摘されたが、これに対し石井大臣は「発見次第修正しておりまして、修正版の刊行をもって、修正事実の公表に代えているというのがこれまでの取組であります」と述べ、デジタル地図については速やかに修正し、紙の地図については大都市で2~3年、それ以外では10~15年程度の間隔で行なわれている更新の際に修正を行なっていることを明らかにしている。

更新については「一般に一つ一つの周知は行っていないと承知をしております」と述べたが、トンネルのような地下構造物については、航空写真などで把握しにくいことから精度が低下している可能性があるとして「国土地理院の地図を用いて工事を行う可能性のある団体に、既に、地下のものについてはそういうものだということで注意喚起を行っている」と述べた。

また、今回の誤りを契機に他の地図に対して修正を指示する考えの有無についても質問されたが、「地下の構造物については、施設管理者から最新の図面を得て、順次、地図の修正を行ってまいります」と述べ、古い構造物や長い路線で直線でないものについては優先的に点検を行ない、必要に応じて修正する考えを示した。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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