スバル岡田専務、自動運転は「無人運転ではなくADASを中心に進めていく」

スバルの岡田稔明専務執行役員
スバルの岡田稔明専務執行役員全 3 枚
SUBARU(スバル)の岡田稔明専務執行役員は8月5日に開催した2019年度第1四半期連結決算会見で、自動運転について無人運転ではなく、高度運転支援システム(ADAS)を中心に開発を進めていくことを明らかにした。

自動運転については、IT業界を巻き込んで世界中の自動車メーカー、部品メーカーが開発に鎬を削っている。トヨタ自動車は2020年の東京オリンピック・パラリンピックにレベル4の自動運転車を走らせるために車両の開発に尽力している。また、独自動車部品メーカーのコンチネンタルは無人運転車「ロボタクシー」の試験運転を行っている。

そのほかの自動車メーカーも状況は似たようなもので、無人運転に向けた開発や実証実験を行っている。スバルはそれらの自動車メーカーとは一線を画していく方針だ。

「われわれは100万台レベルのメーカーなので、移動するためだけの手段としてのクルマを開発しようとは思わない。クルマに乗って楽しみたいという人に買ってもらいたい。自分で運転する、あるいは所有するというお客さまに焦点を置きたい。そういう意味で無人運転ではなく、高度運転支援を考えている」と岡田専務は強調する。

その裏には他社と同じような競争をすれば、いずれ価格競争になり、スバルは勝てないと考えているのだ。その開発費にしても、大手に比べれば大きく見劣りがする。自社の強みを活かして集中と選択を進め、差別化していく以外に生き残る道はないと言っていい。

「自分たちはアイサイト、ステレオカメラを使っており、それはコスト、性能両面でバランスの取れたものだと思っている。これから先も価格がアフォータブルでないと意味がないと思っているので、ステレオカメラを中心にADASをつくっていく。いろいろなセンサーをそれに加えて高度化していくことを着実に進めていきたい」と岡田専務は話す。

ただ、アイサイトの新バージョンの開発が遅れているとの話も伝わってきており、ADASの開発に懸念材料が出ている。

《山田清志》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 顔が激変! BMWの最小SUV『X1』改良新型、ノイエクラッセ導入へ…プロトタイプを初スクープ
  2. ホンダ初のフルサイズ電動バイク『WN7』発表、航続130km…2026年欧州発売へ
  3. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  4. プレミア化は必至!?『ランクル』を知り尽くしたトヨタ車体の「ラリー仕様」限定車にSNS歓喜
  5. 【プジョー 3008 新型試乗】全身鋼のような硬さに満ち溢れる。これが新時代のプジョーか…中村孝仁
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る