[取り付け方で音が変わる]パワーケーブル その4…ヒューズを設定する

ヒューズホルダーの一例(グラウンドゼロ)。
ヒューズホルダーの一例(グラウンドゼロ)。全 1 枚

カーオーディオ製品の取り付けにまつわるセオリーやコツについて解説しながら、カーオーディオの面白さ&奥深さを明らかにせんと試みている当コーナー。現在は、「ケーブルの引き回し」に関するあれこれを紹介している。

今回は、「パワーケーブル」を“バッ直(メインバッテリーから直接電源を引き込む配線方法)”する際に必要となる、とある“安全策”にスポットを当てる。それは、「“ヒューズ”を設定する」というものだ。

これが必要となる理由を説明していこう。

さて。前回解説したとおり、クルマではボディがマイナス側の配線の役目を負っている。つまり、ボディには電気が流れているわけだ。なのでクルマは実は、“ショート”が発生しやすい状況下にある。

“ショート”とは、プラスとマイナスが直結する状態のことを言う。例えば何らかの原因で「パワーケーブル」が断線し、むき出しになった導体がボディに触れたとしたら…。これがすなわち“ショート”だ。プラスとマイナスとの間に抵抗がなくなるわけなので、一気に大量の電気が流れてしまう。ケーブルはあっという間に溶け出し、近くに燃えやすいものでもあればすぐに引火しあっさり車両火災が引き起こされる。

しかし、“ヒューズ”を用いればそのような惨事を防げる。もしも“ショート”が起こり大量の電気が流れれば、即座に“ヒューズ”が切れて電気の流れを遮断する。すぐに“ショート”を終わらせられて、火災の発生も防げる、というわけなのだ。

なお、ヒューズは使用するパワーアンプの消費電力を鑑みてそれに対応するものがチョイスされる。そして写真で紹介しているような“ヒューズホルダー”に収められ、固定される。

どこに固定するか、にもセオリーがある。答は「エンジンルーム内のメインバッテリーの近く」だ。なぜなら、“ヒューズ”は“バッ直”した回路上の最上流に取り付けないと意味をなさないからだ。例えば車室内に取り付けたとして、もしも“ショート”がエンジンルーム内で起こったら…。“ヒューズ”より上流で断線が起こっているわけなので、“ヒューズ”は“ショート”に関与できない。ゆえに“ヒューズ”は、「エンジンルーム内のバッテリーから遠くない安全な場所」に取り付けられることとなるのだ。

今回はここまでとさせていただく。次回も「パワーケーブル」に関する話題を紹介する予定だ。乞うご期待。

【連載】“取り付け方”で音が変わる? Part6 ケーブル編 その9「パワーケーブル lV」

《太田祥三》

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