「はたらくクルマ」最大の“お得意先”で三菱ふそう、日野、いすゞは何を見せるのか[インドネシアの自動車業界事情]

日野 デュトロハイブリッド(インドネシア国際オートショー2019)
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100万台の新車市場インドネシア。商用用途車(トラック、商用バン、バス)の市場が約25%と大きく日本の国内トラックメーカーにとって海外最大の販売国となっている。

三菱ふそう、日野、いすゞ、UD。インドネシア国際オートショーは、見込み客との大きな商談の機会であり各日系メーカーは力こぶが入る。

赤い鳥居の日野コーナー

鳥居を構えた日野自動車(インドネシア国際オートショー2019)
トヨタやホンダが並んでいるブースと反対側のゲートから会場に入っていくと部品やアクセサリー、バイクの展示コーナーが所狭しと並んでいる。そこを抜けると目にとびこんでくるのは、何と朱色に塗られた「神社の鳥居」。日野自動車の展示コーナーである。

昨年の日野の世界販売は約20万台。そのうちインドネシアは4万台で20%を占める。7万台の日本国内に次ぐ2番目の販売量を誇るだけに、オートショーブースは活気にあふれている。

インドネシアは日野にとって2トン車『デュトロ』の生産拠点としても位置づけられており、インドネシア国内では『ダイナ』としてトヨタに供給されている他、アセアン域内など海外にも3000台近くが輸出されている。外貨獲得のために輸出を奨励しているインドネシア政府に対しても鼻が高い。

会場には、デュトロのハイブリッド仕様車も展示されていたが、購入価格にシビアなインドネシアの顧客に燃費の良さや環境対策をどうアピールするか興味深い。

2トン車のトップブランド、三菱ふそう

三菱ふそう(インドネシア国際オートショー2019)
2017年、三菱ふそうはインドネシアで三菱自動車のMPV『エクスパンダー』の国産化投資と販売開始にタイミングを合わせ、商用車部門と乗用車部門を完全に切り分けた。それまでは、三菱ふそうのインドネシアでの事業を支えていたのは2トントラックの『キャンター』。道路インフラの不十分なインドネシアで産業の足として欠かせない。キャンターは「コルトディーゼル」の愛称で長く市場を独占していた。現在は、日野のデュトロやいすゞの『エルフ』の追い上げでシェアは50%~60%になっているものの、依然と根強い人気モデルだ。

乗商販売体制分離後は三菱ふそうブランドでとして5トントラックや10トンを超える大型トラックと同じ商用車チャネルで販売されており、三菱ふそうにとってインドネシアは日本をも上回る年間5万台の世界一の販売国となっているのである。

いすゞの挑戦

いすゞ(インドネシア国際オートショー2019)
世界販売50万台のいすゞにとって最大の生産販売拠点は何と言ってもタイ。同国の1トンピックアップ市場では、『D-MAX』が王者トヨタの『ハイラックス』と互角に戦いを繰り広げている。また、ピックアップの派生型のSUV市場では『MU-X』が好調だ。

この2つの車両はタイから輸入されてはいるものの、やはりインドネシアでのコアビジネスは商用車。2トン車のエルフはようやくキャンターの牙城を崩し始め、昨年インドネシア専用モデルとして開発した少し小振りのトラック『Teraga(テラガ)』と合わせ順調な販売で推移している。

本社の開発リソースの少ない中、いすゞは「はたらくクルマ」のメーカーとしてインドネシア市場に果敢に挑戦している。オートショーのいすゞブースには見込み客が集まり熱い商談が繰り広げられていた。

UD、そしてインドや中国ブランドも

UDトラックス(インドネシア国際オートショー2019)
会場には日系各社だけでなく、インドブランドや中国ブランドのGVW(車両総重量)24トンを超える12輪車のトラックが、小さなトラックを押しのけるようにその巨体をあらわにしている。この市場では日野がダントツなのだが、UD車も健闘しており年間で3000台上以上を売り上げている。UDトラックにとってもインドネシアは海外No1の販売先なのである。

<藤井真治 プロフィール>
(株)APスターコンサルティング代表。アジア戦略コンサルタント&アセアンビジネス・プロデューサー。自動車メーカーの広報部門、海外部門、ITSなど新規事業部門経験30年。内インドネシアや香港の現地法人トップとして海外の企業マネージメント経験12年。その経験と人脈を生かしインドネシアをはじめとするアセアン&アジアへの進出企業や事業拡大企業をご支援中。自動車の製造、販売、アフター、中古車関係から IT業界まで幅広いお客様のご相談に応える。『現地現物現実』を重視しクライアント様と一緒に汗をかくことがポリシー。

《藤井真治》

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