インフィニティ「ブラックS」、市販化の最終決定は年内に…F1技術のハイブリッド搭載

ブランドの電動化ビジョンを示す1台

F1技術のデュアルハイブリッド

空力性能はルノースポールF1譲り

インフィニティ・プロジェクト・ブラックSプロトタイプ
インフィニティ・プロジェクト・ブラックSプロトタイプ全 20 枚

日産自動車の海外向け高級車ブランド、インフィニティは、『プロジェクト・ブラックSプロトタイプ』(Infiniti Project Black S Prototype)を限定生産するかどうかの最終決定を、2019年内に行うと発表した。

画像:インフィニティ・プロジェクト・ブラックS プロトタイプ

ブランドの電動化ビジョンを示す1台

インフィニティ・プロジェクト・ブラックSプロトタイプインフィニティ・プロジェクト・ブラックSプロトタイプ
プロジェクト・ブラックSプロトタイプは、インフィニティの2ドアスポーツクーペ、『Q60』をベースにした高性能なコンセプトカーだ。インフィニティは同車の技術を、F1マシンにインスパイアされた市販車の開発に応用することを決めている。

プロジェクト・ブラックSプロトタイプでは、車体の軽量化や空力性能を高めたボディのほか、車両のブレーキ作動時の運動エネルギーと、加速時のエンジンの熱エネルギーの両方から発電する2種類の環境発電システムを世界で初めて導入し、高性能モデルを提案している。新たな可能性を広げたこのプロジェクトの成果は、インフィニティによる電動パワートレイン技術開発へのコミットメントを具現化したコンセプトカーになるという。

インフィニティは2021年以降、全ラインナップに電動パワートレイン車を設定する計画を掲げている。プロジェクト・ブラックSプロトタイプは、インフィニティの今後のビジョンを明確に示す1台だ。

F1技術のデュアルハイブリッド

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プロジェクト・ブラックSプロトタイプのパワートレインは、ハイブリッドだ。インフィニティとルノースポールF1チームが共同開発した。F1マシンのデュアルハイブリッド電動パワートレイン技術を、どのように市販車に導入できるかを研究開発している。

直噴3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンには、独自のエネルギー回収システム「ERS」を採用した。3つのモーター発電機ユニット(MGU)を搭載しており、ひとつのMGUは、ブレーキ時の運動エネルギーを回収する。2個のターボチャージャーには、それぞれMGUが装備されており、排ガスから熱エネルギーを回収する。これにより、パワートレインはブレーキと加速の両方の場面において、電気を生成する。電気エネルギーは、車体後部にレイアウトされた蓄電容量4.4kWhリチウムイオンバッテリーに蓄電される。

プロジェクト・ブラックSプロトタイプは、このデュアルハイブリッド電動パワートレイン技術によって、最大出力571psを獲得した。ベースエンジンの405psを4割上回るパワーを発生する。バッテリーに蓄えられたエネルギーは、最大120kWの追加電力をドライブトレインに直接供給することが可能だ。これにより、0~100km/h加速4秒以下のパフォーマンスを実現した。

空力性能はルノースポールF1譲り

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プロジェクト・ブラックSプロトタイプには、ルノースポールF1チームの持つエアロダイナミクス技術を導入した。カーボンファイバー製のリアウィングは、ルノースポールF1マシンのモンツァウィングと同様の空力特性を備えており、サーキットなどでダウンフォースを生み出す設計だ。デジタルモデリング技術によって、ウィングの形状を細かくシミュレーションしたことにより、直進時の安定性とコーナリング時の高いトラクション性能を追求した。ブレーキも強化されており、フロントは380mm、リアは360mmのカーボンセラミックを採用している。

《森脇稔》

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