ラッピングで蘇らせる…“ちょい旧クルマ”の楽しみ方[カーケアプラス]

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ラッピングで美しく蘇らせる “ちょい旧クルマ”の新しい楽しみ方
ラッピングで美しく蘇らせる “ちょい旧クルマ”の新しい楽しみ方 全 16 枚 拡大写真
日本国内では、アニメイラストを描いた痛車やスポンサーロゴを貼り付けたレースカー、超高級車にマット加工を施したショーカーなど、“一部のマニアックな層のもの”という印象が強いカーラッピング。

そのカーラッピングの裾野が、旧いクルマにもじわりと広がりつつある。背景にあるのは、世界的な旧車への需要増とそれに伴うパーツの供給不足だ。「世界一美しい」と称されたBMW『635CSi(E24型)』を専門に扱う整備工場シルキーシックス(東京都江戸川区)では、外装の部分的な補修・保護を中心にラッピングやペイントプロテクションフィルム(PPF)の需要の高まりを感じているという。





◆品薄なウィンドウモールが鮮やかに復活

635CSiが生産されたのは1977年~89年。最新モデルでも30年目を迎える車両だけに、機能部品の劣化や内外装のヤレはどの個体でも避けられない。その中で、同社の原利之代表が注目するのが、ウィンドウモールへのメッキフィルムのラッピングだ。

「ここ数年、世界的な旧車高騰の波が635CSiにも波及し、一部のパーツが入手しづらくなっている。ただ、金型から自作すると莫大な費用がかかる。オリジナルパーツにこだわるユーザーでなければ、樹脂パテで成形してラッピングで覆うのもアリ」と、名車を取り巻く環境の変化を教えてくれた。




さらに、「元々635CSiは車両の相場価格が値ごろで、貴重なクラシックカーに比べて富裕層オーナーが少ない。派手な装飾用途というよりは保護機能など実利的メリットがあってこそラッピングやペイントプロテクションフィルム(PPF)も生きる」と原代表。実際にアルピナモデルでは、構造上飛び石を受けやすいフロントスポイラーにPPFを施工するユーザーも少なくないそうで、こうしたラッピングやPPFの活用術は、コーティング事業をルーツとする同氏の「キレイに635CSiに乗ってもらいたい」という想いの表れでもある。





◆繊細な塗装面で生きるプロの施工技術

とはいえ、一方で大胆な意匠チェンジができるというラッピングの魅力も見逃せない。ラッピングの実利面に注目する原代表だが、自身ではエンジンから駆動系、足回りまで徹底的にレストアしたデモカーに、当時レースシーンで活躍したシュニッツァー635CSiを忠実に再現したフルラッピングを施工。タミヤのプラモデルのデカールからデザインを起こした手の込みようで、「ペイントではなく印刷出力するラッピングだからこそ実現できた。嫌になったら剥がせるのも良い」と、“魅せる”目的でもラッピングを活用している。



ただ、こうした旧車へのラッピングでは塗装面への影響が気になってしまうもの。旧車の場合、オリジナルの塗装コンディションが劣悪な場合も少なくなく、フィルムが剥がれたり、最悪の場合フィルムと一緒に塗装まで剥げてしまう可能性もある。現行のスーパーカーから高級クラシックカーまで幅広くラッピングを手掛けてきたアクティブガレージの阿部雄一代表によると、もちろん状態次第ではラッピング施工を見送った方が良い個体もあるが、塗装面の状態を見極めて特性が異なるフィルム・接着剤を正確に使い分けることで、そうした事故を防げるという。



実際、同社がピンクのフルラッピングを施工したロールスロイス『シルバースパー』は、ラッピング施工から4年の年月を経ているが、細部に至るまで剥がれなどは生じていない。「しっかり施工すればトラブルは起こりづらい。往年のレースカーを再現した原代表や、イギリスのテレビ番組『サンダーバード』の劇中車をモチーフにしたシルバースパーのオーナーのように、ラッピングを気軽に楽しんでもらいたい」と語る。





色褪せない魅力を持ちながらも、高年式車に比べてシビアな取り扱いが必要な旧いクルマ。一方で、パーツの再生・保護から意匠チェンジまで幅広くラッピングを活用できるのも旧車ならではだ。正確な選択眼と高い技術を持つプロショップに相談し、ラッピングを嗜んでみるのも新しい旧車の楽しみ方かもしれない。

ラッピングで美しく蘇らせる “ちょい旧クルマ”の新しい楽しみ方

《カーケアプラス編集部@相原駿》

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