曙ブレーキ、55年間続いた” 親子経営”に終止符[新聞ウォッチ]

曙ブレーキのブレーキシステムを採用するスーパーカーの例
曙ブレーキのブレーキシステムを採用するスーパーカーの例全 3 枚

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

トップ交代といえば、年度が替わる4月とか、3月期決算企業ならば、6月の株主総会後が一般的だが、経営再建中の自動車部品大手の曙ブレーキ工業の場合は”季節外れ”の交代となるようだ。

同社は1990年からトップの座に居続けた信元久隆会長兼社長ら3人の代表取締役が全員退任する人という首脳交代人事と発表。きょうの各紙が取り上げている。

それによると、業績悪化に対する経営責任を明確にするもので、信元会長のほか、荻野好正副社長と松本和夫副社長もそろって退任する。後任の社長には、自動車部品大手のボッシュでブレーキ事業の経験があり、6月まで日本電産で常務執行役員を務めた宮地康弘氏を外部から受け入れるという。

また、新体制ではトヨタ自動車出身でダイハツ工業などの幹部を歴任した栗波孝昌氏が取締役副社長に就任。日経によると、トヨタの狙いは資金面での支援ではなく「曙ブレーキの生産性改善に向け、ともに取り組んでいきたい」と伝えている。

さらに、曙ブレーキに出資する事業再生ファンドのジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(JIS)社長の広本裕一氏と、車部品を手掛ける旭テック会長を務めた丹治宏彰氏がそれぞれ社外取締役に就く。

曙ブレーキは米国事業の不振から資金繰りが悪化し、事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)を申請中。信元会長らが経営不振の責任を取って辞任し、外部から経営トップを招いて立て直す意向だが、引責辞任する信元久隆氏の父親は、1964年から1990年まで同社の社長を務め「中興の祖」と呼ばれた故・信元安貞氏。55年間も続いた"親子経営"にようやく終止符が打たれることになるが、創業一族ではない親子が半世紀以上もトップに居座ったのも珍しい。
G7(8月25日)G7(8月25日)
2019年8月27日付

●G7土壇場で共同宣言、米「イランと対話努力」(読売・1面)

●車追加関税日本警戒、日米新協定9月署名、米から除外確約取れず(読売・2面)

●安全運転支援新車9割に、21年度目標、大手8社開発計画(読売・7面)

●曙ブレーキトップ引責、経営不振、後任社長に宮地氏(読売・7面)

●「即位の礼」で大規模交通規制、10月22~23日、首都高など一部通行止め(読売・29面)

●リクナビに是正勧告「内定辞退率」無断販売、個人情報保護法(毎日・1面)

●五輪、首都高1000円上げ決定、渋滞対策、6~22時(産経・1面)

●タクシー苦境を逆手、自動運転積極導入(産経・12面)

●トヨタ、中国で公道実験、自動運転の新興と提携(日経・15面)

東京メトロ2000系東京メトロ2000系●東京メトロ新車両、伝統と革新共存(日経・37面)

●自動運転実験車が事故、愛知の市道、乗用車と接触(日経・43面)

《福田俊之》

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