フェラーリのすべてを体験、「Universo Ferrari」開幕…3台の最新スーパーカー出展

フェラーリ初のPHVを欧州初公開

新限定車シリーズも出展

フェラーリの市販エンジン史上最強の810ps

イタリアで開幕した「Universo Ferrari」。SF90ストラダーレを欧州初公開
イタリアで開幕した「Universo Ferrari」。SF90ストラダーレを欧州初公開全 25 枚

フェラーリ(Ferrari)は9月2日、イタリア・マラネッロにおいて、フェラーリの世界に特化した初のエキシビション、「Universo Ferrari」が開幕した、と発表した。

Universo Ferrariは、フェラーリの本社工場からほど近いフィオラノサーキットの特別な施設で、9月末まで開催される。クラシックカーからレーシングカー、現在のモデルラインナップまで、フェラーリのすべてを紹介する。さまざまなモデルに試乗できる機会も設けられる。

フェラーリ初のPHVを欧州初公開

Universo Ferrariでは、フェラーリのラインナップの最高峰に位置し、フェラーリ初のプラグインハイブリッド(PHV)の『SF90ストラダーレ』を欧州初公開した。

PHVパワートレインは、エンジンに3個の電動モーターを組み合わせたものだ。3個のモーターのうちの2個は、フロントアクスルの左右に独立して配置される。残る1個は、ミッドシップのエンジンとギアボックスの間にレイアウトされる。フェラーリ SF90 ストラダーレフェラーリ SF90 ストラダーレ

排気量を3902ccから3990ccに拡大した直噴V型8気筒ガソリンターボエンジンは、最大出力780hp/7500rpm、最大トルク81.6kgm/6000rpmを発生する。3個のモーターは、最大出力220hpを獲得した。エンジンとモーターを合わせたPHVシステム全体では、1000hpのパワーを引き出す。

乾燥重量は1570kg。トランスミッションは8速デュアルクラッチ「F1」で、駆動方式は4WDだ。SF90ストラダーレは、0~100km/h加速2.5秒、最高速340km/hのパフォーマンスを実現している。バッテリー(二次電池)は、蓄電容量7.9kWhだ。「eDrive」モードでは、最大25kmをゼロエミッション走行できる。このEVモード時の最高速は135km/hとしている。

新限定車シリーズも出展

新たなコンセプトの限定シリーズ、「イーコナ」(Icona)の最初のモデルとして、シングルシーターのフェラーリ『モンツァSP1』、2シーターの『モンツァSP2』も出展した。フェラーリ・モンツァ SP1フェラーリ・モンツァ SP1

イーコナは、1950年代の最も刺激的なフェラーリの記憶を甦らせることを目的にした新セグメントのモデルだ。フェラーリは1950年代、妥協を排し、勝利だけを目標にデザインしたようなモデルで世界スポーツカー選手権を戦い、伝説を創り上げてきた。

モンツァSP1とモンツァSP2には、『750モンツァ』や『860モンツァ』などのネーミングと、過去の象徴的なフェラーリレーシングバルケッタのルーツとなる1948年の『166MM』を想起させるデザイン要素を注入した。フェラーリによると、イーコナは現在実現できる最先端のスポーツカー技術を備えているのが特長になるという。

モンツァSP1は、ステアリングホイールを握るドライバーに、独特のエクスペリエンスをもたらす妥協のないシングルシートロードカーとして設計された。一方、モンツァSP2は、トノカバーを廃し、セカンドウインドプロテクターとロールバーを追加装備した。ドライバーと一緒に、パッセンジャーもセンセーショナルなドライビング体験を堪能することを目指した2シーターモデルとなる。フェラーリ・モンツァ SP2フェラーリ・モンツァ SP2

モンツァSP1とモンツァSP2は、広範囲にわたってカーボンファイバー素材を使用する。フェラーリ『812スーパーファスト』の車台をベースに、専用デザインのヘッドライト、テールライト、ホイール、インテリアなどを採用した。ボディサイズは、全長4657mm、全幅1996mm、全高1155mmだ。

モンツァSP1とモンツァSP2は、ルーフとウィンドスクリーンを持たない。その結果、乗員はF1を頂点としたフォーミュラドライバーでなければ体験できない異次元のオープンエアスピードを味わえるという。これは、ボリュームあるボディに、必要最小限のドライバーの周囲を包み込むような開口部を設けたコックピットコンセプトによって、実現したものだ。

デザインを担当したのは、フェラーリデザインセンターだ。デザインの狙いは、1本のペンで一筆書きしたかのような、時を超えたエレガンスとミニマルなフォルム、そして洗練されたディテールの理想を求めて、極めて純粋なデザインを創造すること。最近のレーシングカーに見られるような視覚的に複雑なソリューションを避け、控えめながら正統なデザイン手法を採用した。人と自動車のつながりを象徴するドライバーズカーであることに焦点を置く。

フェラーリの市販エンジン史上最強の810ps

上向きに開くコンパクトなドアは、デザインの特長のひとつ。同じく、その下にV12エンジンが収まるフロントヒンジ開閉機構を採用したカーボンファイバー製のワンピースボンネットとフェンダーも、モンツァSP1とモンツァSP2の大きな特長になる。レーシングカーと同じく、ボディシェルはすべて軽量なカーボンファイバー製。インテリアもカーボンファイバー素材で仕立てられた。

6.5リットルV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンは、フェラーリの市販エンジン史上最強のスペックを持つ。最大出力810ps/8500rpm、最大トルク73.3kgm/7000rpmを獲得する。車両重量はモンツァSP1が1500kg、モンツァSP2が1520kg。0~100km/h加速2.9秒、0~200km/h加速7.9秒、最高速300km/h以上のパフォーマンスを可能にする。フェラーリによると、オープンボディのバルケッタ史上最高のパワーウエイトレシオを実現したという。

《森脇稔》

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