[サウンド調整術入門]イコライザー…定在波に対策する

サウンドチューニングソフトの設定画面の1例(フォーカル・FSP-8)。
サウンドチューニングソフトの設定画面の1例(フォーカル・FSP-8)。全 1 枚

クルマの中で良い音を楽しむための重要項目の1つである「サウンド調整術」について解説している当コーナー。現在は「イコライザー」の操作方法を紹介している。今回は前回に引き続いて“定在波”にフォーカスし、これへの対処法を考えていく。

前回は、“定在波”とは何かを解説した。まずはその内容を簡単におさらいしておこう。“定在波”とは、平行する面と面との間で音が行ったり来たりするとき、その面と面の間で音波がとどまったような状態となることを指す。

なお、“定在波”となる音波は、面と面との間の距離と同じ長さの波長の音、またはその距離の2倍、3倍といった整数倍の波長の音、さらにはその距離の1/2、1/3といった整数で割りきれる波長の音、これらが“定在波”となり得る。

そして、“定在波”が発生すると、2パターンの弊害がうちのどちらかが引き起こされる。1つは“ピーク”だ。これは“定在波”となった音が増幅してしまう現象だ。そしてもう1つが“ディップ”だ。“定在波”となることでその音がキャンセリングを起こし聴こえなくなってしまうのである。

ところで、“定在波”によってキャンセリングが起こった場合には、それを「イコライザー」で補正するのは難しい。「イコライザー」でその音を持ち上げようとしても、そもそもが消えてしまっているのだから持ち上げようがないのだ。その場合には「イコライザー」調節ではなく、スピーカーの取り付け角度を工夫するなどして“定在波”の発生原因を取り除くしかやりようがない。

さて、車内で起こりやすい“定在波”による影響の代表例を紹介しておこう。主には2つある。1つは、250~320Hzあたりで起こりやすい。このあたりの音が“定在波”となると、“ピーク”が出る場合にはボーカルがこもったように聴こえてくる。逆に“ディップ”が出る場合にはボーカルが痩せたように聴こえてくる。

または、1kHz~5kHzあたりにも影響が出やすい。このあたりの音が“定在波”となる場合には、ボーカルの“サ行”の聴え方に変化が出てくる。“ビーク”が起きている場合には“サ行”がきつく聴こえ、“ディップ”が出ている場合には“サ行”が物足りなく聴こえがちだ。もしも“サ行”の聴こえ方がイマイチなときは“定在波”の発生を疑い、1kHz~5kHzあたりの“イコライザー”を触ってみよう。

今回はここまでとさせていただく。次回からは、「タイムアライメント」についての解説を行っていく。お楽しみに。

『サウンド調整術』入門! 第4章「イコライザー」の調整方法 その8 “定在波”対策について

《太田祥三》

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