[カーオーディオ・インストレーション]スピーカーの取り付け…インナーバッフルの材質

「インナーバッフル」でスピーカーが取り付けられた例(ミューディメンション デモカー)。
「インナーバッフル」でスピーカーが取り付けられた例(ミューディメンション デモカー)。全 1 枚

カーオーディオユニットを取り付けるにあたってのセオリーやテクニックについて解説している当コーナー。まずは「スピーカー」インストールに関する事柄から紹介している。前回までは、スピーカーを取り付ける際に「インナーバッフル」が必要となることを解説した。

それに引き続き今回からは、これをワンオフする際のポイントを紹介してしていく。

ところで、「インナーバッフル」は市販品も用意されている。いくつかのブランドが、車体メーカーごとに対応モデルを用意してくれている。しかし、もしも予算的な折り合いがつくのであれば、「インナーバッフル」はワンオフしたい。そうすることで、使用するスピーカーごと、そして取り付ける車種ごとでジャストなものを用意できる。結果、より高性能な「インナーバッフル」を手にできるのだ。

さて、「インナーバッフル」を製作するにあたってはどのようなセオリーがあるのだろうか。まず今回は、材質に関することについて解説していく。

ちなみにもっとも使われることが多いのは、“MDF”だ。これは「中密度繊維板」とも呼ばれるもので、木質繊維を原料とする成型板だ。なお、これを使う利点は、材料代が比較的にリーズナブルであること、そして加工が比較的に容易であること、この2点に集約できる。特に、加工がしやすいことはストロングポイントとして大きい。その利を活かして自在に成形し、音響的に有利な形に作り込める。

ただし“MDF”には欠点もある。それは、水分に弱いこと、だ。クルマのドアの内部には雨水も浸入してくる。ゆえに「インナーバッフル」にも水がかかることがあり、対策を講じておかないと、水分を含んで膨張するなどのトラブルに見舞われる可能性が出てくる。

なのでカーオーディオ・プロショップでは、水分から守るための対策をいろいろと講じる。防水剤を塗布したり、ニスを重ね塗りするなどして、湿気から守る工夫を施す。

また、バーチ材やシナ合板等々の合板が使われることも多い。これらは“MDF”と比べてより堅いので、スピーカーが発する振動をドア内部の鉄板に伝えにくく、さらには音の響きも良く、スピーカーの性能を引き出しやすくなるとされている。

ただし、加工の難易度は上がる。材質的に堅いので切断しにくく形を整えにくいのだ。そして“MDF”と比べて価格も上がる。しかし、より高性能な「インナーバッフル」を作ろうとする場合には、“合板”がチョイスされるケースは少なくない。音にこだわろうとするときには、「インナーバッフル」の材質選びにもこだわりが注がれる、というわけなのだ。

今回はここまでとさせていただく。次回も「インナーバッフル」の製作にまつわる解説を続行する。お楽しみに。

カーオーディオ・インストレーション百科 Part1「スピーカー」編 その4・インナーバッフルの材質について

《太田祥三》

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