高畑監督はゆるい人…作品上映会&トークショーをゆかりの地「大泉学園」で開催

高畑勲監督作品上映会in大泉学園。向かって左から高畑耕介さん、百瀬義行さん西武鉄道若林久社長、一龍齋貞心、宇賀なつみ
高畑勲監督作品上映会in大泉学園。向かって左から高畑耕介さん、百瀬義行さん西武鉄道若林久社長、一龍齋貞心、宇賀なつみ全 7 枚

西武鉄道は2019年9月28日、T・ジョイSEIBU大泉(東京都練馬区)において、「高畑勲監督作品上映会in大泉学園」を開催した。イベントでは、高畑氏の監督作品に参加したアニメーション演出家の百瀬義行さんと、子息の高畑耕介さんが氏について語った。

このイベントは、2018年4月に亡くなったアニメ監督の高畑氏が長年を過ごした大泉学園(西武池袋線駅名)において、氏の監督作品である『平成狸合戦ぽんぽこ』を観て氏を偲びながら、「大泉学園」の魅力を感じようと開催された。

当日は、「ぽんぽこ」の上映をはじめ、練馬区出身で学生時代(都立大泉高校)を大泉学園で過ごしたフリーランスアナウンサーの宇賀なつみさんが司会で、百瀬さんと耕介さんを迎えたトークショー、講談師一龍齋貞心による「ぽんぽこ」にまつわるミニ講談などの、3部構成。

百瀬さんによると、高畑監督は「ゆるい」人だったという。「その人が来るとスタジオに緊張が走る、といったタイプではない。むしろ作品に集中しているせいか、スタジオを出て自転車でふらっと走りに行ってしまう。仕事については頑固だったが、感情に出るタイプではない」。

耕介さんは、父の子育ては放任だったという。「聞かないと話してくれない」。百瀬さんによると、監督は仕事でもそうだったという。

「こと細かく(作画の)指示をしない。出来上がったものに対してはちゃんと言うけれど、絵描きに任せてそれに付き合ってくれた。『ぽんぽこ』は高畑オリジナル脚本で、脚本が出来上がる前に概要だけ伝えられて絵コンテを描いたり、脚本の出来上がった部分から描いたりした。絵描きに自由にやらせてくれて、成果物として映画に取り込んでくれた」

耕介さんは、監督とは監督の仕事の話はしなかったそうだ。「作品の話はあまりしなかったが、『ぽんぽこ』については楽しそうに話していた思いがある」。

『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994年公開、原作・監督・脚本:高畑勲)あらすじ……自然の恵が多い東京の多摩丘陵。タヌキたちはそこでのんびりとひそやかに暮らしていた。ところが、人間たちがはじめた宅地造成が原因でエサ場が少なくなったことにタヌキたちは気づく。タヌキたちは先祖伝来の「化け学」を復興し人間たちに戦いを挑む。

《高木啓》

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