後付け用宅配ボックス、パナソニックが発売へ…従来品の半額で普及を目指す

パナソニックが10月21日から販売を開始する後付け用宅配ボックス「コンボライト」
パナソニックが10月21日から販売を開始する後付け用宅配ボックス「コンボライト」全 3 枚

パナソニックは9月27日、宅配ボックスの普及を図るため、手軽に設置できる後付け用宅配ボックス「コンボライト」を10月21日から販売すると発表した。これによって、社会問題化している宅配便の“再配達”を減らそうというわけだ。

宅配便の個数は国土交通省の調べによると、2017年度は42.5億個と06年度比で約13億個も増加しており、昨今のインターネット通販の状況を考えるとさらに増える可能性が高い。しかし、共働き世帯が年々増加中で、全世帯数の23.6%も占める。

そんなことで、宅配便を配達しても、不在というケースが増えている。なんでも1日約200万個が再配達されているそうだ。配達業者からすれば、人手不足の中、やっていられないという思いだろう。

その問題解決のため、宅配ボックスを設置しようという動きが出てきているが、その一般住宅の普及率はたったの2.2%。認知度も低く、宅配ボックスの存在を知らない人も少なくない。

一方、パナソニックは2007年から宅配ボックス「コンボ」の販売を始めているものの、その販売数は2018年度約3.3万台と少ない。その理由は宅配ボックスの価格が高いこと、設置に手間がかかることなどが上げられる。

これまで同社が販売していたものは、価格が8万3500円(ミドルサイズ)で、設置には専門業者による工事が必要だった。そこで今回、コンボライトを発売。その価格はミドルタイプが3万9800円、4万9800円、ラージタイプが4万9800円、5万9800円と、一番安いものは従来品の半額以下である。

しかも、設置も購入者本人が簡単に取り付けられるようにした。強力な接着剤で土台のコンクリートなどにコンボライトを貼り付けるだけ。電動工具やアンカーなどを使用せずに固定できるようにしたわけだ。

「戸建て用の宅配ボックス市場は新築需要が7割、既築需要が3割ほどだったが、既築市場は市場も大きく、伸びしろもある。しかし、設置性と導入コストという課題があった。今回の新製品はこの課題の解決を目指したものだ」とパナソニック ライフソリューションズ社ハウジングシステム事業部の中島裕章部長は説明する。

販売ルートについても拡大し、これまで工務店、工事会社が主体だったが、家電量販店、ホームセンター、TVショッピングでも扱えるようにする。「2021年度には約15万台の販売をしたい」と中島部長は話し、2030年には宅配ボックスの設置率を新築住宅で100%、既築住宅で50%を目指すという。

ただ、コンボライトには難点もあり、一度糊づけすると、なかなか取り外しができず、コンクリートを壊す必要も出てくる。30年の目標を達成するには、さらなるコンボの改良が必要と言えそうだ。

《山田清志》

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