カーオーナーの素朴な疑問
この夏に北海道に転勤となりました。今はまだ涼しくて快適なのですが、これから冬を迎えるにあたって、雪道の運転など不安がいっぱいです。雪国のカーライフにおいて注意しなければいけないことってありますか?
(北海道・32歳男性・会社員)
◆プロショップの回答
当社(市成ボデー)は北海道旭川でJAFの指定工場として、様々な自動車トラブルの現場に出動しています。その中には、今回のご質問者様と同じように他の地域から転勤でいらした方も多数おりました。そういった経験をもとにアドバイスをさせて頂きますので、ご参考にして頂ければ幸いです。
まず冬の自動車トラブルで多いのが、バッテリーに関することですね。
比較的温暖な地域の方には馴染みのないことだと思いますが、北海道を走る車の多くは標準装備車よりも大容量のバッテリーを積んでいます。標準装備のまま冬を迎えると、寒さによりバッテリーの性能が低下し、エンジンが掛からないなどのトラブルに見舞われます。
まずは冬が到来する前に、バッテリー及びオルタネーター(大容量バッテリー搭載に伴う充電量確保のため)のチェックを整備工場に依頼してみて下さい。
それから、LLC(ロングライフクーラント)の濃度にも注意が必要です。旭川の場合、最低気温がマイナス40度に達する場合もあり、通常の濃度(30%程度)では凍結の恐れがあります。必要に応じて濃度の調節や交換をお勧めします。
次に、冬用タイヤを履くというのは一般的なのでご存知かと思いますが、タイヤ以外にもワイパーやウインドウ・ウオッシャー液にもまた、寒冷地用があることをご存知でしょうか?
降雪時の走行において視界の確保は必要不可欠です。寒冷地用のワイパーは全体がゴムで覆われており、着氷雪時にガラスと付着しにくくなっています。
また、ウインドウ・ウオッシャー液は製品によって凍結する温度が異なっていますので、ご自身の環境にあったものを使用することをお勧めします。さらに言うと、ワイパーモーターも強化しておき雪質の重い時でもスムーズに動くようにしておくと安心です。詳しくは整備工場に相談すれば教えてくれるはずですよ。
これまでに挙げたトラブル予防策だけではなく、万が一の時のために防寒着やホッカイロなどの暖をとるアイテム、スコップや手袋やブースターケーブルなど脱出用の道具を車に積んでおくことも重要となります。
氷点下をはるかに下回る北海道で身動きが取れなくなることは、最悪の場合、命に関わる重大な事態です。万全な準備で北海道の冬をお過ごし下さい。
カーオーナーさんの「質問」に回答してくれたプロショップさんは……
北海道旭川市にある「市成ボデー」の市成秀人社長です!