[サウンド調整術入門]タイムアライメント…簡易タイプのアジャスト法

“アッテネーター”機能を搭載した市販スピーカーの例(カロッツェリア・Cシリーズスピーカー)。
“アッテネーター”機能を搭載した市販スピーカーの例(カロッツェリア・Cシリーズスピーカー)。全 1 枚

カーオーディオをより良いコンディションで楽しむための1ツールである「サウンドチューニング機能」について、そのあらましから操作方法までを紹介している当コーナー。今回は前回に引き続いて、簡易的な「タイムアライメント」機能の扱い方を解説していく。

ところで前回も説明したとおり、簡易的な「タイムアライメント」機能とは、ツイーターとミッドウーファとを“1つのスピーカー”として扱うタイプのことを指す。で、この操作方法として前回は、左右のミッドウーファーまでの距離を測り、その値を入力するというやり方を紹介した。つまり、とりあえずツイーターのことはさておいて、左右のミッドウーファーの音の到達タイミングだけを揃えようとするわけだ。

なおそのように設定すると、ミッドウーファーが発する音についてはセンターイメージが中央に浮かび上がるのだが、高域については若干センターイメージが左右のどちらかにずれてしまう。ミッドウーファーの到達タイミングは揃えられているのだが、ツイーターの発する音の到達タイミングは揃えられていないからだ。

これはやむをえないことである。でも、これを是正する方法が存在している。それは「近くにあるツイーターの音量を下げる」という方法だ。もしもそれができれば、到達タイミングを遅らせたかのような効果を発揮させられる。結果、高域のセンターイメージのずれが緩和するのだ。

とはいえ、どちらかのツイーターの音量だけを個別に調整することも、簡易的な「タイムアライメント」が搭載されているクラスのメインユニットでは不可能だ。しかし…。

もしも使用している“パッシブクロスオーバーネットワーク”に“アッテネーター”という機能が搭載されていたら、不可能が可能となる。“アッテネーター”とはまさしく、ツイーターの音量だけを絞れる機能なのである。

ただし、“アッテネーター”ではバリアブルに音量を調整することはできない。大体は3段階に切り替えられる程度で、細かく調整できるものでもせいぜい5段階くらいがマックスだ。

とはいえ、当機能があるのとないのとでは違いは大きい。音量バランスと定位の出方の両方をベストな状態に持っていくことは難しいが、状況をある程度良い方向に改善させることは可能となるのだ。

“パッシブクロスオーバーネットワーク”に“アッテネーター”が搭載されているか否かはチェックしておいた方が良いだろう。それがあれば音調整の幅を広げられる。

今回はここまでとさせていただく。次回からは、本格的な「タイムアライメント」の調整方法解説を開始する。お楽しみに。

『サウンド調整術』入門! 第5章「タイムアライメント」の調整方法 その3 簡易タイプのアジャスト法とは?

《太田祥三》

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