1億台を突破、ホンダ スーパーカブ のストーリーを記した一冊

スーパーカブ110・60周年アニバーサリー(2018年)
スーパーカブ110・60周年アニバーサリー(2018年)全 4 枚

『ホンダ スーパーカブ』
世界戦略車の誕生と展開
編者:三樹書房
発行:三樹書房
定価:本体価格2400円(消費税除き)
ISBN978-4-89522-717-9

ホンダ『スーパーカブシリーズ』の開発者の証言や詳細なモデル変遷などの資料も充実した集大成が刊行された。

2017年、日本での生産が再開され、さらに世界累計生産が1億台を突破。2018年の誕生60周年を機に各種媒体でも紹介され、多くの注目を集めているホンダスーパーカブ。本書では、その原点となった“初代スーパーカブ”誕生からの足跡を紹介し、その歴史の中で誕生した数々のモデルを、開発者の証言や詳細なモデル変遷などを解説。巻末には生産台数表などの資料を収録されている。

特に本書では第一期ホンダF1活動におけるマシン設計及び監督として活躍した中村良夫氏の遺稿が収められているのは非常に貴重である。その内容はスーパーカブを含めた2輪車の全体的な開発経過に加え、自ら関係した設計部分にまで触れられている。
『ホンダ スーパーカブ』『ホンダ スーパーカブ』
また、開発者の証言として当時の車体設計課長の原田義男氏のインタビューや、デザインを担当した木村謙三郎氏執筆によるスーパーカブのデザインに関する開発ストーリーは、担当者でなければわからない内部事情等を含め語られているので、とても興味深く読み進むことができるだろう。

なお本書は、2018年刊行の「誕生60周年記念版」の品切れにともない、内容はそのままにカバーデザインを一新して、普及版として刊行したものである。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. メルセデスベンツ車だけに特化!走りを静かにする「調音施工」認定店が埼玉県三郷市にオープン
  3. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  4. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
  5. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
ランキングをもっと見る