2035年のグランドツアラー、EXP100GT ベントレーが自動車素材の新時代を提案

航続は最大700km

もみ殻の灰から再生された顔料をボディカラーに

ウッドパネルに5000年以上前の倒木を使用

ワイン醸造過程の副産物をシート生地に使用

ベントレーEXP100GT
ベントレーEXP100GT全 16 枚

ベントレー(Bentley)は10月30日、創業100周年を記念したEVコンセプトカーの『EXP100GT』に、複数の企業と提携して開発された持続可能な新素材を採用した、と発表した。

画像:ベントレー EXP 100 GT

航続は最大700km

EXP100GTは、ベントレーブランドの未来を体現したゼロエミッションのコンセプトカーだ。プラットフォームの完全電動化というメリットを生かし、ベントレーが考える2035年のグランドツアラーの姿を提示している。

軽量アルミとカーボンファイバーを用いた2ドアクーペのボディは、全長が5800mm、全幅は2400mmだ。EVパワートレインは、電気モーターを4個搭載する。4個のモーターは合計で153kgmの最大トルクを引き出す。車両重量は1900kg。パワフルなモーターは、0~100km加速2.5秒以下、最高速300km/hのパフォーマンスを可能にする。

バッテリーは、エネルギー密度が従来の5倍と高いものを搭載する。そのため、わずか15分でバッテリー容量の80%を充電できる。1回の充電で、最大700kmの航続を可能にした。完全自動運転機能も備わる。車両周辺の環境を認識し、乗員が快適に移動できるように、走りを自動的にコントロールする。ドライビングのスリルを楽しみたいときは、手動運転に切り替えることが可能だ。ベントレーEXP100GTベントレーEXP100GT

もみ殻の灰から再生された顔料をボディカラーに

ベントレーは、このEXP100GTに、複数の企業と提携して開発された持続可能な素材を採用した。環境保護や企業倫理を意識してブランドを選択するユーザーに向けて、持続可能かつ革新的な技術を採用した素材にこだわったという。

例えば、ボディカラーの「コンパス」は特殊な顔料を用い、秋を思わせる美しい波長を表現したものだ。環境に配慮したサステナブルなカラーという点が特長。この顔料は、米作りの副産物であるもみ殻の灰を、再生して作られた。最終的に、埋め立てゴミとなる量の削減に役立つという。

ハンドクラフトされたキャビン全体には、新素材を導入する。サステナブルな生地とレザーには刺繍が施され、倒木から採取したウッドパネルの杢目と相乗効果を生み出している。ベントレーEXP100GTベントレーEXP100GT

ウッドパネルに5000年以上前の倒木を使用

銅を溶け込ませた「リバーウッド」と呼ばれる木材を採用した。これは、湿地や湖や川などで発見された5000年以上前の倒木を使用したものだ。キャビンにあしらわれているリバーウッドを採取したのは、「フェンランド・ブラックオーク・プロジェクト」。この素材を次世代に残すことを目指して設立された英国の団体だ。

伝統的な手法の刺繍で知られる「Hand & Lock」ともコラボレーションした。ロンドンに拠点を置き、1767年から続くHand & Lockは、英国ロイヤルファミリーのドレスや軍隊の制服なども手がけている。Hand & Lockの刺繍は主に、EXP 100 GTのドアパネルに施された。優雅で現代的な刺繍の模様と異なる素材が、しっくりと溶け合うことを狙ったという。

スコットランドのレザーブランドの「Bridge of Weir」は、スコットランドの大自然を生かして生産された柔らかな肌触りの天然皮革をベントレーEXP 100 GTのために厳選している。ベントレーEXP100GTベントレーEXP100GT

ワイン醸造過程の副産物をシート生地に使用

また、ワイン醸造過程の副産物から開発されたエコでラグジュアリーな新素材を導入した。100%植物由来のレザーのような手触りの生地は、100%オーガニックという。この素材が、シートに使用されている。ウールのカーペットは、英国の牧場から取り寄せたもの。インテリアを彩る刺繍入りの生地は、コットンとした。

EXP100GT では、AI(人工知能)を「カンブリアクリスタル」というイルミネーション付き3層構造のセンターピースに搭載する。最上層は、美しいカットが施されたクリスタルだ。手吹きハンドカットのクリスタルを製造している英国唯一のガラス工房カンブリアの作品という。

ベントレーは、EXP100GTのすべての素材が未来へと繋がる持続可能なラグジュアリーを作り上げ、このグランドツーリングカーが将来的に実現可能であることを予感させる、としている。

《森脇稔》

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