E-BIKEとはこれまでの電動アシスト自転車とは異なり、スポーツサイクルとしてのアクティブな走行性能を残しながら、モーターアシストを受けられる自転車のこと。
主な特徴としては、バッテリーをダウンチューブに配置することで、最適な重量配分を実現。チェーンステーを短くし、スポーツ自転車らしい挙動を行うことができる。アシストのパワー伝達はクランク軸からダイレクトに行われるため、自然でパワフルなパワーアシストを感じることができるのも大きな特徴。

ボッシュはそんなE-BIKEのドライブユニットを手掛ける企業の一つ。今回はその中でもアメリカのトレック社からボッシュの最新ドライブユニット「パフォーマンスラインCX」を搭載し2020年から日本市場にて発売を開始するフルサスペンションeMTB、「Rail9.7」に試乗した。
◆トルクフルなドライブユニット「パフォーマンスラインCX」

速度の下がるコーナーの出口ではペダルを踏みなおすと急加速。一般的にE-BIKEは低めの速度域でアシストが強烈にかかるため、細かなコーナーの出口では乗り手の意図としない加速が行われ、慣れていないと少し違和感や恐怖感もある。だが、全体的には重たいバッテリーを搭載しているにも関わらず、自転車が重いような感覚はなく、常に高級マウンテンバイクのような身軽な走りが楽しめた。
そして今回の「パフォーマンスラインCX」に初搭載されたeMTBモードに切り替える。踏力に応じたアシストを行うというこのモードでは、狭い箇所でのターンでも過剰なモーターアシストが行われることなく、より自転車をコントロールできている感覚が強まった。これであれば、微妙なペダリングコントロールが必要なオフロードの登り坂もリアタイヤをスリップさせることなく走ることができそうだ。

登りはモーターアシストで楽しく登り、下りは前後のサスペンションで軽快に下る。今まで自転車を楽しまれていた方には驚きと新鮮さを持って受け入れてもらえると思いますし、それ以外の方にはスポーツ自転車の楽しさを体感できる入り口として体験して欲しいと思っています。」
ボッシュではオフロード向けのバイクのみならず、クロスバイクや小径車など、街の移動手段として使われるコミュータータイプのE-BIKEにもユニットを提供している。今後、E-BIKEは自転車のモビリティとしての立ち位置や、スポーツ自転車の楽しみ方を大きく変化させるキーとなりそうだ。