【フェラーリ F8トリブート 海外試乗】乗り心地の良さとドライバーをニヤつかせる挙動が共存…九島辰也

フェラーリ F8トリブート
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先月、フェラーリは自身初となる市販のプラグインハイブリッドモデルを日本で発表した。スクーデリアフェラーリ90周年を意味する『SF90ストラダーレ』だ。モノがモノだけに話題にならないわけがない。で、その数ヶ月前に発表したのが今回試乗した『F8トリブート』。ガソリンエンジンを単独使用したV8ミッドシップの最終モデルとも囁かれる、フェラーリファンならずとも興味津々のシロモノだ。

FRフェラーリに近い乗りやすさ、ターボラグも減少

試乗したのはフェラーリ本社隣のフィオラノ・サーキット。そこでの3ラップとマラネロ市街およびその近郊である。

クルマの特徴は『488GTB』のハイパフォーマンス版『488ピスタ』と同じ720馬力を発揮すること。それと軽量化とエアロダイナミクスを高めたボディワークとなる。488GTB比で軽量化は-40kg、エアロ効率+10%。要するに正常進化といったところだ。ダッシュボード周りも大きな変更はなく、奇をてらった装備も見当たらない。ただ、リアの4灯ランプはニュース。近年のV8ミッドとは違う。まるで『308』『328』を思い出させる光の残像だ。

走りは総じて乗り心地の良さが際立つ。マラネロの市街地はスーパーカーがスピードを出せないようにバンプが多く路面も悪いが、そこでボディが上下にシェイクされたり、ヒョコヒョコすることはなかった。FRフェラーリに近い乗りやすさを感じた。マネッティーノをスポーツにしたままで十分だ。

もちろん、アウトストラーダでの加速はあえて言葉にする必要もなく、レーシングカーのようにフェラーリサウンドを奏でながら小気味好く加速していく。市販車フェラーリの醍醐味はここにある。ターボラグがこれまでよりも感じなくなったのが進化のポイントだろう。それとワインディングもそう。ドライバーを基点に鼻先の向きを変える感じはクルマ好きにはたまらない。ゴーカートフィーリングではなく、そのままゴーカートと言えそうだ。アクセルのオンオフで向きが変わる挙動はドライバーを思わずニヤつかせる。

ウェット性能の高さも身を以て体感

フェラーリのテストコースであるフィオラノ・サーキットの走りは、じつは路面がウェットだったのでそれほど楽しめなかった。クルマがクルマだけに正直コースアウトは避けたいところ。が、逆に言えば、フェラーリのウェット性能の高さを身を以て体感した。マネッティーノをウェットモードにするとかなり安定した走りができる。しかも、その時の電子制御の効き方に強引さはなく、あくまでも自然に姿勢をコントロールする。これまで雨のサーキットでフェラーリを試乗したことがなかったのでこれは新しい発見。今年は992型911のウェットモードのすごさにも驚かされたが、今回もそうだ。もしかしたらウェットモードの充実はハイパフォーマンス系マシンのトレンドなのかもしれない。

繰り返しになるが、今思い返してもF8トリブートはあらゆるシーンで乗り心地がよかった。もしかしたらその辺のニーズが強いのかもしれない。まぁ、あくまでもマラネロでのファーストインプレッション。次回は日本の道で乗り味とパフォーマンスを試してみたい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。『Car EX』(世界文化社 刊)副編集長、『アメリカンSUV』(エイ出版社 刊)編集長などを経験しフリーランスに。その後メンズ誌『LEON』(主婦と生活社 刊)副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身

《九島辰也》

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