迫る年の瀬、パナソニックは液晶パネルから撤退、トヨタは新年交礼会を中止[新聞ウォッチ]

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気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

気がつけば年の瀬が迫っている。東京・日比谷のミッドタウン前広場のクリスマスツリーのイルミネーションなども鮮やかに点灯し、街角の景気も良さそうな雰囲気だ。だが、きょうの各紙の記事をみる限り、活気にあふれるような明るい話題が見当たらない。

まずは、パナソニックが、液晶パネル製造事業から2021年をメドに撤退すると発表。きょうの各紙が報じているが、撤退の理由は競争激化による採算悪化で、長く赤字が続いていたためという。「選択と集中」に伴い、薄型テレビ向け液晶パネルを量産する兵庫県姫路市の工場は車載電池の拠点として活用し、約500人の従業員は基本的に配置転換で対応するそうだ。

また、世界的な新車市場の低迷が続く中、トヨタ自動車や三菱自動車など多くの日系メーカーが生産拠点を構える、タイの10月の自動車生産台数が前年同月比23%減の15万2787台となり、前年実績を下回るのは6か月連続。しかも単月の落ち込み幅としては、2014年8月以来、5年2か月ぶりの大きさだそうだ。きょうの日経は「タイの自動車生産の失速が鮮明になった」とも伝えている。

そして、年末を飛び越して新年の話題では、先の中間決算で売上高、純利益が過去最高を更新したトヨタ自動車が、主要取引先との年初のあいさつの場として開催してきた「賀詞交歓会」を2020年は取りやめる方針を決めたという。

きょうの東京が大きく取り上げている。記事によると、「自動運転や電動化など異業種を巻き込んだ開発競争が激しくなる中、取引先企業の負担を軽減する」のが中止の理由。すでにトヨタでは、各社に「百年に一度の大変革期に、年初の貴重なお時間をちょうだいしていることを鑑み、見送らせていただくことといたします」と通知したそうだ。首相の「桜を見る会」ではないが、トヨタにもお屠蘇気分になれない事情があるのかも?

トヨタの賀詞交歓会は「新年交礼会」の名称で毎年1月初旬にトヨタ本社(愛知県豊田市)で開催。主要取引先でつくる協豊会と栄豊会の会員企業などが参加するという。トヨタ側が1年の方針などを説明し、会食しながら幹部同士が交流を深める機会として、新春の風物詩となっている恒例行事。トヨタグループのデンソーやアイシン精機、さらに日野自動車なども中止を決めたそうだが、虚礼廃止は着々と世代交代が進んでいるとの印象も受ける。

2019年11月22日付

●経済対策財投3兆円超成田新滑走路4000億円融資(読売・2面)

●パナ、液晶パネル撤退、21年めど、採算見込めず断念(読売・13面)

●三菱電機子会社で過労自殺、労災認定再発防げず(朝日・1面)

●「トヨタもGMも買わない」米カリフォルニア州環境規制「政権を支持」に抗議(朝日・6面)

●電動化SUVへ広がる、LA自動車ショー、環境規制対応(朝日・6面)

●運転不安なら#8080全国共通(朝日・31面)

●主張「ゴーン退場」1年、経営の混迷に終止符打て(産経・2面)

●ゴーン被告と妻、きょう対話、7か月ぶり、地裁がビデオ面談許可(産経・24面)

●スズキ、パレットなど51万台リコール(産経・24面)

●トヨタ、来年の「賀詞交歓会」取りやめ。取引先の負担軽減(東京・6面)

●タイ車生産、10月23%減、5年ぶり下げ幅(日経・11面)

●車部品7社も「英離れ」ホンダ系、子会社解散へ(日経・12面)

●「免許返納」追い風、電動自転車の出荷好調(日経・12面)

●SUBARU社債400億円、7年ぶり品質対応費かさむ(日経・15面)

《福田俊之》

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