【BMW 1シリーズ 新型試乗】FF化でも走りは「上級クラスに遜色なし」…島崎七生人

FF化でも“前進感”あるシルエット

仕上げの丁寧さの積み重ねを感じる室内

上級クラスに遜色なし、の上質な走り

BMW 1シリーズ 新型(118i Play)
BMW 1シリーズ 新型(118i Play)全 24 枚

FF化でも“前進感”あるシルエット

ほほぉ、と感心することしきり。E87(2004年~)、E20(2011年~)と2世代続いたFRから、今回のF40ではFFに一新。実車とは初対面だったが、その“こなれ具合”は、第一印象から「やるなぁ」と思わせられるものだった。

新旧で比較すると、ボディサイズでは全長はほぼ変わらず(諸元では5mm違いで短くなった)、全幅が+35mm、全高が+25mmそれぞれ拡大。ホイールベースは20mm短くなった。

BMW 1シリーズ 新型(118i Play)BMW 1シリーズ 新型(118i Play)
全体のフォルムは、(厳密に計測した訳ではないが)これまで2世代の『1シリーズ』は、前身のE36、E46時代の“コンパクト”同様にFRのバランスを踏襲した“長いノーズと後ろ寄せのキャビン”で、Cピラーまわりから前に向かってグッと力を押し戻していた。

それに対し新型は、前から後ろへサーッと流れを作り全体のウエッジを強めにすることで前進感を表現している。フロントのキドニーグリルも最近はイロイロだが、多角形の新形状で内部の幾何学状のパターンも斬新なもので、ダイナミックさと新世代感を強く醸し出している。

仕上げの丁寧さの積み重ねを感じる室内

BMW 1シリーズ 新型(118i Play)BMW 1シリーズ 新型(118i Play)
インテリアも新世代のデザイン。10.25インチのメーターパネルとインフォメーションディスプレイの採用はもはや定番。メーターはスピード/タコメーターが左右で向かい合わせになった『3シリーズ』同様のグラフィックで、判読性に少々難ありだが、『3シリーズ』より左右間が狭いこそが視認性を助けている。

物理スイッチ、操作系のレイアウトも新しいがこちらはシンプルでわかりやすい。シフトレバー横の走行モード切り替えのボタンも一見フラットだがフィードバックがあり操作感は上々。ピラートリムは樹脂だが、ファブリックのルーフライニング(クッションも入っている)と同じシボで表面が仕上げられ、こうした各部の仕上げの丁寧さの積み重ねで、室内全体の質感は満足できる高さだ。

上級クラスに遜色なし、の上質な走り

BMW 1シリーズ 新型(118i Play)BMW 1シリーズ 新型(118i Play)
後席に着座してみると、着座位置は前席よりも高く、見晴らし(見下ろし)感覚になっているのがわかる。とはえい頭上の空間は余裕があり、ビザ前のスペースも従来よりも拡大した。またデザイン的に後方まで伸ばされたサイドウインドのデザインは、大きなドア開口も作り出し、乗降時の頭の運びが楽なのもポイントだ。トランクは写真でも示したように、奥行き、幅、深さとも十分だ。

走りは上質で快活なもの。印象的なのは走行中の音や振動が想像よりもかなり低く、上級クラスに遜色なしのレベルだということ。とくに3気筒エンジン(1.5リットル)を始めとした、メカ系の物理的な振動(やノイズ)の小ささは注目で、いかにもスムースに機械が仕事をしている……そんな“いいモノ感”がヒシヒシと実感できる。

もちろん140ps/22.4kgmの性能にも不満がない。試乗車は標準の16インチタイヤだったが、乗り味は快適さとしなやかなハンドリングを両立させたもの。リヤが踏ん張りを効かせ、安定した姿勢を崩さないコーナリングフォームも魅力に映った。

BMW 1シリーズ 新型(118i Play)BMW 1シリーズ 新型(118i Play)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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