【WRC】トヨタ、全面刷新の2020年ドライバーラインアップを発表…王座6回のセバスチャン・オジェらが陣営入り

左からエバンス、オジェ、マキネン代表、ロバンペラ。
左からエバンス、オジェ、マキネン代表、ロバンペラ。全 4 枚

27日、世界ラリー選手権(WRC)を戦うトヨタ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)が来季2020年のドライバー陣容を発表した。フル刷新のメンバリングとなり、王座獲得通算6回のセバスチャン・オジェらが陣営入りしている。

2019年王者オット・タナクの離脱(ヒュンダイ移籍)という状況を受け、トヨタが来季に向けてどういう陣容を整えるかに注目が集まっていたが、セバスチャン・オジェが「ヤリスWRC」のステアリングを握ることとなった。12月で36歳になるフランス籍ドライバーのオジェは、VWとMスポーツ・フォードで2013~18年にWRCドライバーズタイトルを6連覇している。

19年はシトロエンに移って7連覇を目指したオジェだが、それは叶わず。そして最近、オジェの離脱を主因としてシトロエンが来季のWRCワークス参戦をとりやめる、という状況が発生していた(トヨタ入りありきでのシトロエン離脱だったのかどうか、そのあたりの正確な事実関係と時系列は現時点で定かではない)。

WRC通算47勝、3回に1回に近いくらいのペースで勝ってきたオジェは、トヨタ入りに際し、以下のようにコメントしている。

「このチームの一員となり、興奮している。私にとってはもうひとつの新たなる挑戦であり、本当に(2020年シーズンが)楽しみだ。実は2016年の終わりにも、翌年一緒に仕事をすることについて話し合っていたのだけれど、その時は実現しなかった経緯がある。しかしこうして、アイコニックなブランドであるトヨタ、そして子供の頃のアイドルであるトミ・マキネン(チーム代表)と一緒に仕事をできることになり、感無量だよ。成功するために力を合わせて戦い、世界タイトルを取り戻したいと思っている」

そしてトヨタはオジェを迎えただけでなく、2020年に向けてレギュラードライバーをフルチェンジすることとなった。他の2台には、エルフィン・エバンスとカッレ・ロバンペラが乗る。

エバンスは12月で31歳になるイギリス(ウェールズ)籍ドライバーで、WRC通算1勝。19年はMスポーツ・フォードで走っていた。

ロバンペラは2000年生まれの19歳である。フィンランド籍で、父がWRC優勝経験者という血筋の持ち主。近年はWRCの下位シリーズで高い評判を得ていた。19年は「WRC2 Pro」でチャンピオンになっている。

6冠王者、中堅の実力者、そして期待の超新星という、話題性に富みつつも、よくバランスされた布陣でトヨタは2020年シーズンに挑む。

なお、ヒュンダイ移籍が既に決まっていたタナクのみならず、ヤリ-マティ・ラトバラ、クリス・ミークともトヨタは19年シーズン限りで別れるかたちになったわけだが、チーム代表のマキネンと豊田章男トヨタ社長は(タナクやコ・ドライバーたちを含む)彼らへの感謝を述べ、今後の健闘を期待する旨を述べている。

トヨタにとっては2017年から再開したWRCワークス活動の新章突入ともいえそうな2020年シーズン。注目の開幕戦は1月23~26日のモンテカルロ戦だ。

《遠藤俊幸》

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