もう少し小さな場所も…札幌市長が北海道新幹線発生土の受入れ先を緩和する姿勢

札樽トンネル部分の平面図(上)と縦断面図(下)。手稲トンネルを延伸する形で札幌の市街地区間を地下トンネルで抜けるが、手稲トンネルの出口に近い星置・富丘両工区では有害物質を含む残土の受入れ先が決まらず、着工に至っていないため、札幌市では鉄道・運輸機構が事前調査に入る同意を求める説明会が行なわれているが、大きな進展は見られない。
札樽トンネル部分の平面図(上)と縦断面図(下)。手稲トンネルを延伸する形で札幌の市街地区間を地下トンネルで抜けるが、手稲トンネルの出口に近い星置・富丘両工区では有害物質を含む残土の受入れ先が決まらず、着工に至っていないため、札幌市では鉄道・運輸機構が事前調査に入る同意を求める説明会が行なわれているが、大きな進展は見られない。全 1 枚

札幌市の秋元克広市長は11月29日に開かれた定例会見で、北海道新幹線札幌延伸工事で発生する土(発生土)の受入れ先についての協議状況を明らかにした。

北海道新幹線札幌延伸工事に際しては、小樽市朝里(あさり)付近と札幌市中央区の間に建設される全長約26.2kmの札樽トンネルの工事で、有害物質を含む「対策土」と呼ばれるものが含まれている怖れがあることから、その搬出先確保が課題となっており、山岳部分を受け持つ札幌市内の星置工区と富丘工区が着工に至っていない。

札幌市では発生土の受入れ先として、厚別(あつべつ)区の山本地区や手稲区の金山地区を候補に定め、7月と8月に事前調査を行なう了解を求める説明会が開催された。

説明会は11月にも工事主体である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)により1週間程度行なわれ、より詳細なデータが示されたということだが、秋元市長は「その段階でも、多くの方々、特に住民の方々からは、土砂崩れや水質等への心配というものの懸念は払拭(ふっしょく)されなかっただろうというふうに思います」と述べ、進展がないという見方を示した。

候補地の住民からは市長が参加しての協議を求める声もあったということだが、これについては、現時点で技術的な説明の段階であるため、最終判断の段階になるまで出向く考えはないとしている。

また、受入れ先については「少し面積が小さくても受け入れ可能な土地がないかどうかということも含めて、第3、第4といいますか、そういった候補地についても探していく必要があるのかな」と述べ、一定の面積を持つ私有地や民有地という条件を緩和して、選択肢を増やしたい意向を示した。

北海道新幹線の発生土に関しては、北海道が沿線自治体で相互に受け入れる要請を出しているほか、札幌市に隣接し新小樽駅が建設される小樽市では受入れ先の公募を実施。道南の北斗市では、八雲町内で発生する対策土の受け入れを年内に判断する意向を示している。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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