ブガッティ シロン に漆黒の「ノワール」、1930年代の名車に触発…価格は300万ユーロ

カーボン独特のパターンが見えるボディ

マットブラック仕上げも用意

1500hpの8.0リットルW16気筒ターボ搭載

ブガッティ・シロン・ノワール
ブガッティ・シロン・ノワール全 4 枚

ブガッティは12月2日、『シロン・ノワール』(Bugatti Chiron Noire)を欧州で発表した。2020年春、限定20台を発売する予定だ。同車は、シロンをベースに開発された特別モデルで、伝説の「ラ・ヴォワチュール・ノワール」=“黒い車”の再来をテーマに掲げた。

ラ・ヴォワチュール・ノワールとは、1936~1938年に4台のみが生産され、世界で最も美しい車と称される『タイプ57 SCアトランティック・クーペ』の1台だ。

4代のうち3台は所在がわかっているが、ノワールとよばれた1台は、第二次世界大戦の初めの頃に姿を消した。もし今、発見されれば、世界で最も高価な車になるといわれる。ブガッティによると、シロン・ノワールはこの車にインスパイアされたという。

2019年3月、ブガッティのデザインディレクターのアヒム・アンシャイト氏は、このラ・ヴォワチュール・ノワールを再解釈し、ブガッティの市販モデルに取り入れることを決定した。その内容は、伝説的なクーペを現代的に解釈し、ブガッティファンのための究極のグランツーリズムとして提案することだという。 タイプ57 SCアトランティック・クーペ。ノワールか。タイプ57 SCアトランティック・クーペ。ノワールか。

カーボン独特のパターンが見えるボディ

シロン・ノワールのボディはブラックで、カーボンファイバー独特のパターンが見える演出を施した。フロントグリルは純銀製で、黒のエナメル仕上げとした。中央にはブガッティの「マカロン」エンブレムが配される。

ブラックで仕上げられたブレーキキャリパーを、専用デザインのホイールと組み合わせた。ボディサイドには、ソリッドメタルから削り出されたC字型の「ブガッティ・シグネチャーライン」を採用する。ブラックボディに、艶消しのポリッシュアルミが、アクセント効果を発揮する。ドアミラーやエンジンカバーなどは、ブラックカーボンとポリッシュアルミで仕上げられた。「ノワール」のエンブレムは、サイドパネルとリアフェンダーに装着されている。

インテリアも、ブラック基調とした。一部に、シルクマット仕上げのアルミを使用する。ノワールのエンブレムは、ドアシルとセンターコンソールに配置され、ヘッドレストにも刺繍された。センターアームレストには、カーボン製エンブレムをあしらう。

マットブラック仕上げも用意

マットブラック仕上げの「Sportive」も選択できる。これは、車体のカーボンファイバーをマットブラック仕上げとしたものだ。C字型のブガッティ・シグネチャーライン、ホイール、フロントスポイラー、グリルが、マットブラックになる。チタン製エキゾーストシステムの4本のテールパイプも、エンジンカバー同様に、ブラック仕上げだ。

インテリアは、センターコンソールとヘッドレストのノワールの文字がブラックに。ダッシュボード内側のCライン、スイッチ、プッシュボタン、ロータリースイッチ、ステアリングホイール、センターコンソール、ドアハンドルは、マットブラックとなる。ブガッティ・シロン・ノワールブガッティ・シロン・ノワール

1500hpの8.0リットルW16気筒ターボ搭載

ミッドシップに搭載される8.0リットルW16気筒+4ターボは、2ステージターボ化されており、最大出力1500hp/6700rpm、最大トルク163kgm/2000-6000rpmを引き出す。先代の『ヴェイロン』の最大出力1200hp、最大トルク153kgmに対して、300hp、10kgm強化された。

トランスミッションは7速デュアルクラッチ「DSG」で、駆動方式は4WDだ。0~100km/h加速2.5秒、最高速420km/h(リミッター作動)という世界最高峰の性能を備えている。

シロン・ノワールでは、「スポーツ」グレードをベースにすることもできる。スポーツは、さらなるパフォーマンスを追求した新グレードで、ハンドリング性能を中心に、変更を施している。

車両重量は18kg軽量化。「ダイナミック・ハンドリング・パッケージ」では、サスペンションが引き締められ、「ダイナミック・トルク・ベクタリング」機能が備わる。ホイールと4本出しのエグゾーストは、スポーツ専用デザインとした。

シロン・ノワールは、20台のみが生産され、ベース価格は300万ユーロ(約3億6250万円)となる。2020年の第2四半期(4~6月)から、出荷される予定だ。

《森脇稔》

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