【ホンダ フィット 新型試乗】見た目はプレーンに、走りは「クラスが上がった」…島崎七生人

戦闘態勢的なイメージを払拭し“柴犬”のような存在に

サッパリしたインテリアと、革新の前後シート

走りのクラスが従来よりも上がった

ホンダ フィット 新型(プロトタイプ)
ホンダ フィット 新型(プロトタイプ)全 26 枚

長いが引用すると「人の用を満たす心地よさと機能性をもちながら、人の心を充足する美しさも宿す、世界で唯一のスモールカー」がコンセプトだそう。累計268万台を販売、ホンダ車最多の183万台の総保有台数(=ホンダ車の2割)を誇る『フィット』が4世代目に進化することとなった。

【画像全26枚】

戦闘態勢的なイメージを払拭し“柴犬”のような存在に

ホンダ フィット 新型(右)と従来型(左)ホンダ フィット 新型(右)と従来型(左)
まず印象的なのは、スタイリングが“新しい”点。新型だから新しいのは当然だが、歴代モデルがワンモーションフォルムだったのに対しやや“ノーズ感”を出したシルエットに変わった点が注目だ。またデザインのセンスも、これまでのホンダ車とはまったく違う雰囲気で、4mを切るコンパクトな全長ながら、戦闘態勢的なイメージはまったくなく、実におおらかでプレーンなスタイリングになっている。

デザイナー氏によれば意識したのは「親しみのわく“柴犬”のような存在」だそうで、なるほど家飼いで飼い主のコマンドにも従順で自分が大好きな人の姿を見かければ耳を水平にしてシッポを最大限に振って駆け寄っていく……そんな現代の柴犬は、実は我が家にも1頭いるから理解できなくもない。

と同時に、広いグラスエリアがいかにも明朗なファミリーカー然としていて、実車を目にして、個人的には“ピカソ”名義でデビューしたシトロエンのマルチパーパスカーのショートボディの方を連想した次第。

サッパリしたインテリアと、革新の前後シート

ホンダ フィット 新型(写真は東京モーターショー2019)ホンダ フィット 新型(写真は東京モーターショー2019)
インテリアも実にサッパリしている。ドライバー席に座り前方を見渡すと、フラットで何もないインパネ上面(ワイパーも視界から隠された)はまるで小田急ロマンスカーの先頭車両の展望席のようだ。奇しくもAピラーの雰囲気(傾斜角度も近似していそうだ)も先頭車両風だが、今回の新型では2本あるAピラーの後方側に衝突時のエネルギーを通す構造とし、前方のピラーが極限まで細く仕上げられた。実際にこの細い方のピラーは運転中にまったく気にならず、視野角90度(先代は69度)のパノラマ視界を生み出している。

シートは前後席ともにクッションの厚みを増やすなどし(フロント+30mm、リヤ+24mm)、より快適な乗車感を求めている。シート構造は従来のSバネから、面で支える方式に一新された。またドライバー席は、これまでよりゆったりとした運転姿勢が取れるようステアリングのリーチ、ペダルの取り付け角度を改良。その効果は明らかで、実際に走らせていると、まるでセダンを運転しているようなゆったりとした姿勢が取れ、気持ちもリラックスしていることがわかる。

走りのクラスが従来よりも上がった

ホンダ フィット 新型(プロトタイプ)ホンダ フィット 新型(プロトタイプ)
走りはコンフォート性能がより高められた。気に入ったのは、ピッチングが小さいすっきりした乗り味になっているということ。安定感も高く、従来型と較べるとクラスが上がったようにも感じる。耳障りなノイズや振動も十分に抑えられた印象。ステアリングも穏やかなタッチだ。

パワートレーンはハイブリッド(1.5リットルガソリンエンジン+2モーター内蔵CVT)と1.3リットルのガソリンの2タイプの設定だが、ハイブリッドは“ステップシフト制御”も採用され、より自然な加・減速を示すし、力強さも十分にある。他方でガソリン車はハイブリッドよりも軽快な走りっぷりを示す。

今回は北海道・鷹栖のテストコースでの試乗だったが、一般公道での試乗ではどんな印象か、楽しみである。

ホンダ フィット 新型(プロトタイプ)ホンダ フィット 新型(プロトタイプ)

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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