MaaSに取組むトヨタ販売店で広がるチョイソコ…アイシン精機 イノベーションセンター 部長 加藤博巳氏[インタビュー]

MaaSに取組むトヨタ販売店で広がるチョイソコ…アイシン精機 イノベーションセンター 部長 加藤博巳氏[インタビュー]
MaaSに取組むトヨタ販売店で広がるチョイソコ…アイシン精機 イノベーションセンター 部長 加藤博巳氏[インタビュー]全 1 枚

2019年4月より乗合送迎サービス「チョイソコ」を愛知県豊明市で開始したトヨタグループ自動車部品メーカーのアイシン精機。

そのチョイソコが、2019年度グッドデザイン賞を受賞した。民間企業主体の企画・運行していること、エリアスポンサーによる協賛型ビジネスモデル、高齢者の外出を促進させる健康増進イベントなどのコトづくりを組合せた点などが高く評価されたためだ。

また2020年からネッツトヨタ神戸を通じて兵庫県猪名川町でチョイソコの実証実験をはじめる。

新たな動きについて、アイシン精機イノベーションセンター部長の加藤博巳氏に聞いた。

12月20日開催セミナーに加藤氏が登壇し「チョイソコ」の具体的な話が聞けます。詳細はこちら。

ネッツトヨタ神戸で実証実験がはじまる

--- : グッドデザイン賞受賞おめでとうございます。東京モーターショー2020でもトヨタ自動車の豊田章男社長から紹介もありましたね。愛知県豊明市以外の動きは?

加藤氏:自治体や自動車販売店など、数多くの問合せや視察があります。グッドデザイン賞を受賞してからは、地域活性化に取組む地方銀行などからも講演の依頼があります。

チョイソコのデマンド交通をはじめるためには、自治体の協力が必要となります。自治体の方に、9~11月に予算要求をして頂く必要があるので、それに合わせて2019年夏ごろから動いていました。現在、全国10カ所程度で動きがあります。

自動車販売店では、2020年からトヨタネッツ神戸(本社・兵庫県尼崎市)がチョイソコの実証実験をはじめることになりました。猪名川店のある兵庫県猪名川町で実施します。

ネッツトヨタ神戸が事業主体となり、豊明市で行っているアイシン精機の役割を担います。ネッツトヨタ神戸が車両を購入し、猪名川店の店長が協賛企業を募ります。そして日の丸ハイヤーのドライバーがハンドルを握り、猪名川町が費用を100%負担します。

---: 地域密着型の自動車販売店にとって、チョイソコのビジネスモデルがあっているのかもしれませんね。

2020年5月からの改革で変わる販売店

---: なぜネッツトヨタ神戸はチョイソコに取組むのでしょうか。

加藤氏: これまでトヨタの販売店では、販売店ごとに取り扱う車種が異なっていました。しかし、2020年5月からトヨタの全販売店で、全ての車種が買えるようになります。統合と淘汰が進むわけです。自動車を販売するだけでは、差別化が図れなくなってきているため、トヨタ自動車本社からMaaSにトライするように言われるようになってきているようです。

---: MaaSのセミナーに、たくさん自動車販売店の方が参加されています。ネッツトヨタ神戸の特徴は?

加藤氏:ネッツトヨタ神戸は中でもMaaSへの取組みが早かったです。同社はMaaSに取組む以前から、本社の2階で料理教室を開いて、地域の拠点になるような取組みをするなど、自動車を売る以外の新たなサービスを模索していました。

4社の新たなパートナー

今後の展開は?

加藤氏:アイシン精機の知名度は全国的にみて低く、チョイソコの特徴であるビジネスモデルもすぐに真似される可能性があります。

そこでビジネスパートナーである、スギ薬局に加えて、新たに4社と"キーワード"を決めて動き出しています。

---: 4社とキーワードとは?

加藤氏: JTBが「まちおこし」、トヨタファイナンスが「キャッシュレス」、損保ジャパン日本興亜が「介護設備への送迎サービスとコールセンターのバックアップ」、愛知トヨタ自動車が「安全運転。地域貢献」です。

まずは視察に

--- : チョイソコを始めたいと思ったらどうすればよいですか?

加藤氏 : まずは視察に来てください。その際に、(1)住民の居住地を示した地図、(2)高齢化率、(3)公共交通の時刻表、(4)公共交通の路線図をお持ちください。この4つがあれば、価格も含めて、具体的なお話が可能です。

「チョイソコ」の具体的な話が聞けるセミナーは12月20日開催。詳細はこちら。

《楠田悦子》

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