[カーオーディオ こだわり方考察]ケーブルにこだわる…わざわざ何かをするというのは大事

スピーカーケーブルの一例(チェルノフケーブル)。
スピーカーケーブルの一例(チェルノフケーブル)。全 3 枚

カーオーディオでは、“こだわる”ことで楽しさが一層深まる。その具体例、つまりは“こだわり方”を紹介している当短期集中特集。第4回目となる今回は、システム構築の必需品である“ケーブル”にまつわる“こだわり方”を研究する。

「ケーブルは何を使っても同じ」ではない!

スピーカー交換をできるだけ低予算で行おうとするならば、使える純正ケーブルはそのまま使った方が良い。しかし、音にこだわろうと思うのなら、スピーカーケーブルの交換も視野に入れるべきだ。

なぜなら、「ケーブルは何を使っても同じ」ではないからだ。もしもそうであるのなら、世の中に高級ケーブルは存在していないはずだ。「ケーブルで音が変わる」ことが事実であるからこそ、メーカーは音の良いケーブルを作ろうとする。そしてユーザーも、ケーブルで音が変わることを知っているからこそ、より良いケーブルを求めようとする。

さて、高級ケーブルとはどれくらい“高級”なのだろうか。ロシア発のケーブル専業メーカー、“チェルノフケーブル”の製品で見てみよう。

ちなみに、同社のスピーカーケーブルのラインナップ中の最廉価モデルは『STANDARD 1-SC』で、1mあたりの税抜価格は560円だ。仮に片側3mずつ必要であるなら、スピーカーケーブルに掛かるコストは3360円となる。

それに対して、3グレード上の『CLASSIC MKll SC/1』の1mあたりの税抜価格は、9300円。その差は約17倍。仮に計6m分必要になると、5万5800円のコストが掛かる。この差はダテではない。価格差に見合う性能差があることは間違いない。

ただし、こだわろうとするにせよ、例えば使用するスピーカーの価格と同じくらいのコストをケーブルに掛けるのは得策とは言い難い。その予算があるのなら、もう1ランク上のスピーカーを買った方が賢明だろうし、バランス的に現実的ではない。

純正ケーブルはいかにもチープ。市販品に交換すれば音質アップは間違いナシ!

では、現実的にはどのくらいのこだわり方を発揮させると良いのだろうか。

まず、「市販品であれば何を選んでも純正ケーブルより上等」だ。つまり、ケーブルを交換するという行為に踏み込めば、「何を選んでもこだわりを発揮できる」、そう言って間違いない。カーオーディオ用のスピーカーケーブルは、1mあたり200円から300円くらいのモデルがベーシックグレードとなっているが、このクラスであっても純正ケーブルとの差は小さくはないのだ。

実際、純正ケーブルを手に取って見比べてみれば、その性能に多くを望めないことを感じ取れる。純正ケーブルはいかにもチープだ。

対して1mあたり200円から300円くらいのモデルでも、導体には“高純度無酸素銅”が使われていたりする。音に対する配慮がしっかり盛り込まれている。

そして、交換するケーブルが最廉価モデルであったとしても、「わざわざケーブルを換えた」という高揚感も味わえる。“わざわざ”何かをするというのは大事だ。

そしてもしも予算に余裕があれば、もう1ランク、2ランク上のモデルを選んでみても良いだろう。グレードを上げれば、さらなる高音質と一層の満足感が得られる。「ちょっと背伸びをしてみる」くらいのチャレンジはアリだ。

ただし、使用するスピーカーがある程度高級品であるのなら、それとのバランスは考えたい。せっかくの高級スピーカーなのだから、その性能を最大限引き出せないともったいない。スピーカーのグレードに見合う、相応のこだわりを発揮させよう。

なお、エントリースピーカーを使うにせよ、高級スピーカーを使うにせよ、「後からケーブルをグレードアップさせる」のも手だ。スピーカー交換と同時に行った方が工賃的にはお得だが、後から交換すると、「ケーブルによって音がどう変わるのか」がよく分かる。そこのところも楽しめる。

ラインケーブルには、さらなる“こだわり”を発揮すベシ!

ところで、外部パワーアンプを導入することになると、今度はラインケーブルが必要になる。ラインケーブルとは、メインユニット、またはプロセッサーとパワーアンプとを結ぶケーブルだ。つまり、パワーアンプで増幅される前の微弱な状態の音楽信号を伝送するためのケーブルである。

なおラインケーブルは、スピーカーケーブル以上に価格差が大きい。各社から、超高級品が多々リリースされている。

具体的にみてみよう。再び“チェルノフケーブル”の製品を例に上げてみる。ディストリビューターの“イース・コーポレーション”が発行しているカタログに掲載されている中での最廉価なモデルは『CLASSIC IC RCA』。そしてその1.65mのモデルの税抜価格は7万4000円だ。これでも十二分に高額だが、最高級品である『ULTIMATE IC RCA』の1.65mのモデルに至っては、その税抜価格はなんと36万3000円。上級パワーアンプ並の価格となっている。

ラインケーブルがここまで高級化する理由はズバリ、「音に差が出やすいから」だ。伝送する音楽信号が微弱な状態なのでノイズの影響等を受けやすい。なので、対策することで効果がはっきりと現れる。材質や構造にこだわればこだわるほど、音を劣化させる要因を減らしていける(音を良くできる)のだ。

とはいえラインケーブル選びにおいても、必要以上に無理をしすぎることはない。現実的な範囲でこだわりを発揮させればOKだ。

ところで、ラインケーブルの場合は先端がプラグ化されているのだが、スピーカーケーブルは被膜をむいてそのまま接続したり、または何らかの端子を先端に装着して使うこととなる場合が多い。こだわるのであれば、端子の材質も吟味してみよう。これについても無理をし過ぎる必要はないが、端子に何を使うかでも音が変わる。手軽にこだわりを発揮させたいと思ったら、端子を変えても面白い。

今回はここまでとさせていただく。次回もまた違った観点で“こだわり”方について考察する。お楽しみに。

こだわれば、カーオーディオはもっと楽しくなる! 「ザ・こだわり方考察」第4回 “ケーブル“にこだわる”!

《太田祥三》

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