全国に7か所…国交省が新幹線施設の浸水想定箇所を公表

浸水した長野新幹線車両センターの北陸新幹線車両。
浸水した長野新幹線車両センターの北陸新幹線車両。全 4 枚写真をすべて見る

国土交通省は12月24日、「新幹線における車両及び重要施設に関する浸水対策」のとりまとめ結果を公表した。

10月に東日本を蹂躙した台風19号の影響により、北陸新幹線の長野新幹線車両センター(長野県長野市)では、E7系、W7系といった北陸新幹線車両12両編成10本が水没したほか、施設の電気設備などにも甚大な被害が及んだ。

そこで国土交通省では、全国の鉄軌道事業者に対して浸水被害が発生した場合に運行への影響が大きい施設の浸水対策の点検を指示するとともに、その検証作業を進めてきた。

そのうち今回は全国に28か所ある新幹線施設の対策がとりまとめられ、浸水被害が想定される車両基地や電車留置線が7か所挙げられている。

このうち、流域の河川計画立案に使われる計画上の降雨が数十年から200年に1度に起こりうるという「計画規模降雨」により浸水被害が想定される箇所に、北陸新幹線の長野新幹線車両センターと東海道新幹線の鳥飼車両基地(大阪府摂津市)が挙げられた。

また、計画規模降雨を大きく上回る1000年に1度に起こりうるとされる「想定規模降雨」により浸水被害が想定される箇所として、長野新幹線車両センターと鳥飼車両基地に加えて、山形新幹線の新庄運転区(山形県新庄市)、東海道新幹線の浜松工場(浜松市中区)、山陽新幹線の博多総合車両所岡山支所(岡山市北区)、山陽新幹線の博多総合車両所広島支所(広島市東区)、九州新幹線の熊本総合車両所(熊本市南区)が挙げられた。

国土交通省では、計画規模降雨については「浸水被害が発生しても運行への影響を僅少な範囲に留めるよう対策を講じること」、想定規模降雨については「従業員等の安全を確保した上で、車両の浸水被害の最小化など社会経済被害の軽減に努めること」を基本として対策を進め、重要施設については、計画規模降雨の場合、「高所への移設、防水扉の設置、代替品の配備、電力供給の冗長化」といった対策を、想定規模降雨については「車両の検査・修理など、施設機能の相互補完による有効活用の可能性等」を検討するとしている。

車両については、想定規模降雨により地盤面から50cm程度以上の浸水被害が想定される留置箇所(留置機能がない浜松工場を除く箇所)では、車両の浸水被害を最小限とする避難計画を検討し、その策定に際しては「避難の判断についての考え方、避難場所、避難手順、運行再開にあたっての手順など、施設の状況等に応じた内容を記載する」としている。

なお、大阪府摂津市の東海道新幹線鳥飼車両基地については、2023年度の事業完了を予定している大阪府茨木市の安威川(あいがわ)ダムが完成した際には、計画規模降雨による浸水被害は発生しなくなる見込みとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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