【トヨタ カローラ 新型試乗】劇的進化のハイブリッドは買って損なし…工藤貴宏

トヨタ カローラ 新型
トヨタ カローラ 新型全 12 枚

あの『カローラ』がここまで! それが、新型カローラを運転した正直な印象だ。(香港などごく一部で販売されていたが)実質的に国内専用設計だった先代の日本仕様カローラは、動的性能に関してはこれといって特筆すべき部分がなかった。普通の人が普通に乗って不満が出なければそれでいい、くらいの感覚だったと理解している。

一世代でここまで走りのイメージが変わるとは

トヨタ カローラ 新型トヨタ カローラ 新型
しかしひさしぶりに日本向けも国外向け仕様(グローバルカローラ)と基本設計が共通化された新型カローラの走行性能は、数年で大きく向上した昨今のトヨタ水準。ビシッと真っすぐ走るし、旋回中は挙動のブレがないこのが素晴らしい。一世代でここまで走りのイメージが変わるとは、驚かざるを得ない。

同時期にデビューしたライバルと言えばマツダの『マツダ3』。ピュアで玄人受けするハンドリングという意味ではカローラはマツダ3の領域までは達していない。しかし、マツダ3に比べると乗り心地が断然優れていて、ハンドリングと乗り心地のトータルバランスと言う点では「トヨタは落としどころが巧み」という評価をしたい。

操縦性に一過言あるドライバーでない限りは、優れた乗り心地からマツダ3よりもカローラのほうが好印象だろう。

ハイブリッドは買って損なし

トヨタ カローラ 新型トヨタ カローラ 新型
パワートレインは、最新世代となってドライブフィールが劇的に向上したハイブリッドの魅力が光る。ハイブリッドシステムの有無で同じ装備仕様グレード間でも約40万円の価格差があるが、燃費やパワー感といった直接的なメリット、そしてリセールバリューまで考えれば買って損はない。

個人的には1.2リットルターボエンジンをMTで乗るのも悪くない。パワーは大したことないし、エンジンも実用設計なので高回転の爽快感などはないが、MTのシフトフィールは良好。パワーを引き出して走るファン・トゥ・ドライブな感覚は結構楽しい。これも、従来に比べてレベルアップしたハンドリングだからこそ楽しめるのだ。

ところで最後に、ライバルのマツダ3と比べて残念な部分にも触れておこう。それは、内装の質感の差が大きいことだ。乗り比べると、ダッシュボードをはじめマツダ3の上質感はさすがである。カローラも、マツダ3以外のライバルに比べるとそう大きな違いはないのだが。

トヨタ カローラ 新型トヨタ カローラ 新型

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

工藤貴宏|モータージャーナリスト
小学校高学年から自動車雑誌を読みはじめ、1日でも早く運転したくて18歳誕生日の翌日には仮免許を取得したクルマ好き。大学在学中から自動車雑誌でアルバイトを始め、自動車専門誌編集部在籍後、編集プロダクションを経てフリーランスライターに。愛車はフランス製ホットハッチとディーゼルのSUV。

《工藤貴宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 1回あたり300円、10分で施工できる凄技コーティング、洗車機との相性も抜群『CCウォーターゴールド』が選ばれる理由PR
  2. ホンダ『イエ GTコンセプト』が初公開、4ドアクーぺEVで中国トレンドに真っ向勝負…北京モーターショー2024
  3. タイヤブランドGTラジアルよりオールシーズンタイヤ「4シーズンズ」発売
  4. 疲れ知らずのドライビング体験!シート交換がもたらす快適性の秘密~カスタムHOW TO~
  5. ニュルブルクリンクで試験中を捕捉!! トヨタ・スープラの最高峰「GRMN」
  6. ディフェンダー 最強モデル「OCTA」、V8ツインターボ搭載…7月発表へ
  7. マツダ、電動セダン『EZ-6』世界初公開、24年発売へ SUVコンセプトも…北京モーターショー2024
  8. スバルとスカイラインにフィーチャー…第4回アリオ上尾 昭和平成オールドカー展示会
  9. 【ホンダ ヴェゼル 改良新型】開発責任者に聞いた、改良に求められた「バリュー」と「世界観」とは
  10. アルファロメオ『ステルヴィオ』後継モデルは、大容量バッテリー搭載で航続700km実現か
ランキングをもっと見る