フィアットが小型EV提案、カスタマイズ自由自在…CES 2020

モチーフは1980年代のパンダ

フルデジタルの20インチディスプレイ

バッテリー追加で航続は最大500kmに

フィアット・コンセプト・チェントヴェンティ
フィアット・コンセプト・チェントヴェンティ全 15 枚

フィアットは1月7日(日本時間1月8日未明)、米国ラスベガスで開幕するCES2020に、『コンセプト・チェントヴェンティ』(Fiat Concept Centoventi)を出展すると発表した。

フィアットは1899年、イタリアで創業。2019年は、フィアット創業120周年だった。これを記念して製作されたのが、コンセプト・チェントヴェンティだ。車名の「チェントヴェンティ」とは、イタリア語で120を意味する。

モチーフは1980年代のパンダ

コンセプト・チェントヴェンティは、小型のEVを提案するコンセプトカーだ。モチーフは、1980年代の『パンダ』に求められた。ボディサイズは、全長3680mm、全幅1470mm、全高1527mm、ホイールベース2430mmだ。フィアットによると、コンセプト・チェントヴェンティは「白紙のキャンバス」という。ルーフ、バンパー、ホイールカバーなどの外装は、「4Uプログラム」を利用して自由にカスタマイズできる。バンパーやフェンダーを、テクスチャー素材にすることも可能だ。

大型のテールゲートには、外部へのメッセージ表示機能が付く。安全上の理由から、走行中は「Fiat」のロゴを表示するだけだが、停止するとドライバーは「メッセンジャーモード」に切り替えることができ、広告などを表示することが可能だ。ソーシャルメディアデバイスとしても機能する。フィアット・コンセプト・チェントヴェンティフィアット・コンセプト・チェントヴェンティ

フルデジタルの20インチディスプレイ

コンセプト・チェントヴェンティのインテリアは、エクステリア同様、自由にカスタマイズできるのが特長だ。ダッシュボードには、「レゴブロック」のような特許取得済みのインターロックマウントシステムを採用した。追加コンポーネントを簡単に取り付けることができる。

ドアトリムは、冷蔵庫のドアからインスピレーションを得た。収納ポケット、ボトルホルダー、オーディオスピーカーを取り付けることができる。シートは、クッションやヘッドレストの色や素材を変更できる。 助手席は収納ボックスやチャイルドシートに置き換えることも可能だ。リアシートは回転して格納され、荷物スペースを拡大できる。

新しい素材も導入した。例えばシートは、ポリオレフィン樹脂を配合した新しいプラスチック素材を使う。フィアットによると、一般的なプラスチックよりも重さは3分の1で済むという。シートバックとヘッドレストには、100%リサイクルの糸で作られた「3Dニット」技術を採用する。この技術は、スニーカーやスポーツウェアなど、スポーツ分野ですでに使用されている。

コンセプト・チェントヴェンティには、最新のコネクティビティを採用する。インストルメントパネルには、2つのソリューションを用意した。ひとつは、スマートフォンを10インチディスプレイに組み合わせたものだ。ドライバーは自分のスマートフォンやタブレットをダッシュボードに接続して、ナビゲーションや音楽、メッセージングなどの機能が利用できる。

もうひとつが、フルデジタルの20インチディスプレイだ。このディスプレイのサポートは、バッテリーの充電状態や先進運転支援システム(ADAS)、カーシェアリングなどの情報が表示される。フィアット・コンセプト・チェントヴェンティフィアット・コンセプト・チェントヴェンティ

バッテリー追加で航続は最大500kmに

EVパワートレインも、カスタマイズできる仕様とした。標準状態では、バッテリーが1個搭載され、1回の充電での航続は100kmだ。オプションで、バッテリーを最大3個に増やすことができ、航続は最大で500kmまで延びる。

コンセプト・チェントヴェンティでは、オープンルーフが選択できる。ルーフには、太陽電池パネルを装備することも可能だ。ソーラーパネルで発電した電力を、駐車中のエアコンの稼働や、デジタルディスプレイの表示に利用することができる。

《森脇稔》

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