高齢者は本当に「スマホが使えない」のか?【岩貞るみこの人道車医】

スマートフォンを利用したMaaS、配車サービスのUber(参考画像)
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【高齢者スマホ使えない問題】2020年が明けました。今年の一本目は「高齢者は本当にスマホが使えないのか?」です。

2019年10月に消費税が10%に上がった時、政府はキャッシュレス還元政策を行った(そんな金があるなら消費税上げるなよと思うけれど、それはさておき)。その際、高齢者はスマホを使わないという声を多く聞いた。

2020年東京オリパラに向けて、自動運転も各地で実証実験が行われているが、ここでも、予約はスマホやタブレットを活用したいが高齢者が使えないので成り立たない、という声があちこちから聞こえてくる。

でも、本当に高齢者はスマホを使えないのか? 私の知っている80代は、スマホもタブレットも私以上に(!)使いこなしている人が何人もいる。彼らは特別なのか。スマホはそんなに高齢者にとってハードルが高いのだろうか?

「使ってもらえない」理由

スマホ決済のイメージスマホ決済のイメージ
まず、スマホによるキャッシュレス決済。

この場合は、かざすだけで支払い完了ゆえ支払い時に小銭を探すよりも簡単だ。じゃあ、なぜやらないかというと、変な設定しちゃって、情報とられちゃって、さらにお金も取られたら困るという不安ではないだろうか。

それって、写真ができたときに「魂が抜かれる」と言っていたのに似ている(違います!)。もしも誰かが責任をもって設定してあげるシステムがあれば、コトは違ってくるのにと思う。

では、実証実験のスマホ予約はどうか。

そこかしこから「使ってもらえない」という開発者の無念の声が聞こえてくる。すっかり高齢者に使ってもらうのは諦めて、「高齢者は、電話で子や孫にたのみ、彼らに代りにやってもらえばスムーズにできる。このくらいなら子や孫も協力できるし、高齢者も気兼ねなく利用できる」という意見まで出るくらいだ。

いやいや、ちょっと待て。それで子や孫とのつながりが濃くなり、高齢になった親の見守りができるなどシナジー効果が期待できるならいい。だけど、高齢者の世代は謙虚だ。いくら子や孫にだって毎日は頼みにくいんじゃないだろうか。

だって、私の持論として、電話はある意味、暴力である。予約も予定も関係なく、その人の時間を奪う。謙虚なジジババが、働き盛り遊び盛りの子や孫に、ちょいちょい電話して頼むとは思えない。

だったら、メールかラインで頼めって? それが使えたら自分で予約できるでしょうよ。なら、FAXすればというけれど、じゃあ、FAXは使えるのに、どうしてスマホは使えないの? そこ、疑問もとうよ。

使い勝手が悪いから使えない

高齢者って、本当にスマホが使えないのか? くどいようだが、もう一度、問いたい。IT音痴で、スマホに対して高齢者と似たような感覚を持つ私が高齢者の声を代弁して言うとすれば、

「こんなわっかりにくいデザインで、どうしろっていうのよ?」

である。

「わかっている人に合わせて、使い方シナリオを作ってんじゃない、ばかもの!」

と、理不尽な怒りをぶつけたいくらいだ。

ええ、先日も、某電子チケットのアプリが超絶使いにくくて、ヘルプを見てもさっぱりわからず、スマホを投げつけそうになりましたよ。

スマートフォンのイメージスマートフォンのイメージ
だいぶ前に、「クルマは今やシロモノ家電になった」と、失望感いっぱいで語るクルマ関係の技術者がいたけれど、だったら、シロモノ家電のすばらしい取扱説明書と実機の使い勝手のよさを少しは見習えと思う。ダイソンの掃除機なんて、取扱説明書に言葉すらない。イラストだけでよくわかるように、120%、読む(見る)人使う人の立場になって作られているのである。

私にしてみれば、高齢者がスマホを使えないのではなく、使い勝手が悪いから使えないのだ。自分たちのデザインやシナリオがダメダメなくせに「高齢者は使えないんだよな」と、自分たちを正当化して弱いものいじめみたいに高齢者のせいにしてんじゃないわよ、という感じだ。

2020年は、実証実験も花盛りになる。MaaSに携わる方々には、ぜひ一考願いたい、です!

と、今年もユーザー代表として、にっこり笑顔でいきたいと思います! どうぞよろしくお付き合いください。

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、ノンフィクション作家として子どもたちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

《岩貞るみこ》

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