マツダの新エンジン「SKYACTIV-X」が欧州で人気のなぜ?

マツダ CX-30(欧州仕様)
マツダ CX-30(欧州仕様)全 4 枚

マツダは1月16日に、独自の燃焼制御技術であるSPCCI(火花点火制御圧縮着火)を採用した圧縮着火方式のガソリンエンジン「SKYACTIV-X」の搭載車をクロスオーバーSUVの『CX-30』にも設定して売り出した。

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国内でのSKYACTIV-X搭載車は、2019年12月に発売した『マツダ3』に次ぐもので、先行して発売していた欧州とともに世界初の量産化を実現した新世代エンジンの展開が本格化した。ところが、初期の受注・販売状況では、欧州と国内で大きな違いがでている。

欧州では従来型ガソリンエンジン車とディーゼルエンジン車を含む初期販売全体のうち、CX-30は約50%、マツダ3では約40%をSKYACTIV-X搭載車が占めている。これに対し、日本では今のところSKYACTIV-Xは受注全体の数パーセントにとどまるのだ。プレミアムブランドが林立する欧州では自動車の新技術への関心も高く、「走行性能をしっかり見極めて購入されるお客様が少なくない」(マツダ国内営業本部の齊藤圭介主幹)といった事情もある。

確かにSKYACTIV-Xは、圧縮着火によりディーゼルエンジンの高いトルクや燃費性能など、ガソリンエンジンの伸びのある出力性能など、両エンジンの良いところを併せもつのが特徴だ。ドイツのアウトバーンなど高速で長距離を走る環境では、より好評価が得られやすいだろう。

だが、欧州でのSKYACTIV-X人気の背景には従来型エンジン搭載車との価格差が日本よりは相当小さいといった事情もある。以下の価格表は、CX-30とマツダ3のドイツ仕様車について従来型ガソリンエンジンであるSKYACTIV-Gと新エンジンのSKYACTIV-X搭載車を比べたものだ(排気量はいずれも2.0リットル)。

欧州でのSKYACTIV-G車とSKYACTIV-X車の価格比較
■CX-30
SKYACTIV-G=2万4790ユーロ(約302万円)
SKYACTIV-X=2万7290ユーロ(約333円)
■マツダ3
SKYACTIV-G=2万3790ユーロ(約290万円)
SKYACTIV-X=2万6290ユーロ(約321万円)
※(ドイツ仕様車のベースグレード、1ユーロ122円で換算)

CX-30もマツダ3も、およそ30万円の差となっている。日本向けモデルで同様の比較をすると価格差は60万円から70万円程度となる。ただし、ここにも日欧の違いがある。SKYACTIV-Xには日欧向けを問わず、モーターとリチウムイオン電池によるマイルドハイブリッド(M Hybrid)システムが搭載されている。

ところが欧州向けは、SKYACTIV-Gも「日本では採用していないマイルドハイブリッドをSKYACTIV-X同様に設定しており、双方の価格差は小さくなっている」(パワートレイン開発本部長の中井英二執行役員)というのだ。SKYACTIV-Gのハイブリッド化は、欧州の厳しい排出ガス規制への対応という狙いもあるが、結果としてSKYACTIV-Xの支持を高める一因ともなっている。これからもプレミアムブランドの本場での人気が持続すれば、世界でもSKYACTIV-Xへの評価が高まることになろう。

《池原照雄》

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