1月中は考えられない…佐賀県が九州新幹線西九州ルートの協議入りを急ぐ国を牽制

九州新幹線西九州ルートの終点となる長崎駅。
九州新幹線西九州ルートの終点となる長崎駅。全 3 枚

佐賀県の山口祥義知事は1月22日に開かれた定例会見で、九州新幹線西九州ルート新鳥栖~武雄温泉間の整備問題に関して、今後進められる国との協議について言及した。

新鳥栖~武雄温泉間については、2019年8月に与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム九州新幹線(西九州ルート)検討委員会が国土交通省(国交省)に対してフル規格での整備を求めたが、軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の導入を考慮して在来線を整備する方針が覆される形になることに佐賀県が反発し、当初の「五択」に戻って協議し直すことを要望。これを受けて赤羽一嘉国土交通大臣は、佐賀県の同意なしで新鳥栖~武雄温泉間の環境影響評価の予算計上を行なわないと表明していた。

年が明けた1月16日には、国交省の幹線鉄道課長が佐賀県庁を訪れ、今後の協議の進め方を書面で呈示したが、これについて山口知事は「事務的な進め方についてのお話がほとんどでした」と述べ、国がどういうスタンスで問題を考えているのかといった点とはかけ離れた内容であったことから、これをじゅうぶん確認するよう、時間をかけて文書の形で質問する意向を示した。

国交省からは可及的速やかに議論を進める姿勢が示されたものの、「簡単に結論が出る話ではない」と言う山口知事は、急ぐ意向があるようなら背景にある考えをしっかり確認しなければならないとして、「1月中に協議入りするというのは到底考えられません」と述べた。

一方、西九州ルートの早期全線開業を要望する長崎県の中村法道知事は、1月17日に開かれた定例会見で、佐賀県と国との協議が開始された際には「本県といたしましても、西九州ルートの早期整備、実現に向けて、全力で協議に参加していく必要が出てくるものと考えている」と述べた。

佐賀県側が「五択」の中から協議し直すことを要望していることについては、「仮に、もう一度、フリーゲージトレインの導入を本格的に検討するなどといった動きになった場合に、長崎県としてはどういうような考え方で臨むのか」という質問が記者から出された。

これに対して中村知事は「フリーゲージトレインを選択肢の一つにするということは、もう一度、研究開発から取り組んでいくのかどうか、そういった議論になっていくのではなかろうかと考えているところであります」と述べるに留め、フリーゲージトレインの正式断念を受けてフル規格整備を選択した長崎県の経緯を鑑み、しっかり意見を述べていくとした。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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