[サウンドチューニング・イコライザー編]名称の意味について…等しくする

詳細にコントロールできる「イコライザー機能」の一例(ダイヤトーンサウンドナビ)。
詳細にコントロールできる「イコライザー機能」の一例(ダイヤトーンサウンドナビ)。全 1 枚

カーオーディオの音をより良くしたいと思ったときに頼りになる「サウンドチューニング機能」。この成り立ちから操作方法までを解説しようとしている当コーナー。現在は、「イコライザー」にスポットを当てている。今回は、当機能の名称の意味について考えていく。

早速、核心に踏み込みたい。「イコライザー」の“イコライズ(equalize)”という言葉の意味は何なのかというと…。この言葉にはズバリ、「等しくする」とか「平等にする」という意味がある。つまり「イコライザー」という機能は本来、「原音どおりの音にする」ための機能であり、さらには「周波数特性の凸凹を“平らにする”」ためのものなのだ。

ちなみに言うと、ホームオーディオでは「イコライザー」は、カーオーディオほどには使われていない。なぜなら、再生される音が原音と大きく変わってしまうことが少ないからだ。もちろん、使用する機材の個性が少なからず音色に乗ってもくるが、機械を使って制御しなくてはならないほどには変わらない。

しかしカーオーディオでは、案外変わる。狭いがゆえにリスナーは、反射音もたくさん聴かざるを得なくなるからだ。というのも、反射音は特性が乱れがちとなる。特定の周波数の音だけが増幅されたり減衰されたりということが多々起こり得る。

「イコライザー」は、そういった特性の乱れを整えるための機能なのだ。増幅されている周波数帯の音圧を下げたり減衰している周波数帯の音圧を持ち上げたりして、音を元どおりに戻していくのだ。

ただし、バンド数の少ない「イコライザー」では、そのような使い方がし難い。異変が起きている周波数帯にピンポイントでアクセスできないからだ。なので、バンド数の少ない「イコライザー」は“イコライズする”ためには使われず、“音に味付けを加える”ため機能として活用されることとなる。

逆に、高機能な「プロセッサー」に搭載されている「イコライザー」は、音を“イコライズ”するために以下のような仕様となっている。“左右独立31バンド”とか、場合によっては“ch独立31バンド”というように、緻密に制御できるようになっているのだ。

“左右独立”であったり“ch独立”である理由は以下のとおりだ。車内は、右側と左側とでインテリアの形状が異なっていたりする。例えば運転席側にはメーターフードがあったりするが、助手席側にはそれがない。結果、反射の影響も左右で差異が出てくる。なので左右で別々に、あるいはchごとで個別に“イコライザー”をかけたい場合も出てくるのだ。

今回はここまでとさせていただく。次週からはいよいよ、実際の操作方法を解説していく。お読み逃しなく。

『ザ・サウンドチューニング』 第2章・イコライザー編 その2 名称の意味について

《太田祥三》

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