シロンをベースにハンドリング性能を引き上げることに重点を置いている。世界限定60台が生産され、価格は300万ユーロ(約3億5840万円)だ。
シロン・ピュアスポーツは、新型コロナウイルス感染拡大の懸念から中止された、ジュネーブモーターショー2020で発表予定だった。
◆長さ1900mmの固定式の大型リアウイング
シロン・ピュアスポーツでは、エアロダイナミクス性能を高める新デザインを採用する。フロントには、ワイド化された吸気口と、専用グリルを装着した。フロントリップスポイラーは、前方に突き出た専用デザインで、最大のダウンフォースを生み出す。


◆ワインディングロードで本領を発揮するシャシー設定
ブガッティは、とくにワインディングロードで本領を発揮するシャシーとサスペンションを開発した。快適性に悪影響を与えることなく、フロントに65%硬いスプリング、リアに33%硬いスプリングを採用した。アダプティブダンピングのコントロール、キャンバー値の変更(マイナス2.5度)により、さらにダイナミックなハンドリングを追求している。
フロントとリアのカーボンファイバー製スタビライザーは、さらにロールを最小限に抑える。ばね下重量は、19kg軽量化された。この19kgは、16kgにおよぶ車輪の軽量化に加えて、チタン製ブレーキパッドのベースパネルによる2kgの軽量化、ブレーキディスクの1kgの軽量化を合計したものだ。また、シャシー、サスペンション、ボディの接合部分の剛性を、フロントで130%、リアで77%強化することにより、路面への接地性を向上させている。

4種類のドライブモードに加えて、「スポーツ+」モードが採用された。通常のスポーツモードよりも、サーキット寄りの設定となっており、高速コーナーでもドリフトできる理想的なラインを走行できるという。
◆60~120km/hの中間加速はシロンに対して2秒短縮
ミッドシップには、2ステージターボ化された8.0リットルW16気筒+4ターボエンジンを搭載する。最大出力は1500hpと変わらないが、発生回転数は6700rpmから6900rpmへ、200rpm引き上げられた。最大トルクは、163kgm/2000-6000rpmと変わらない。7速デュアルクラッチの「DSG」は、全体のギア比を15%クロスレシオ化した。駆動方式は4WDだ。ブガッティによると、60~120km/hの中間加速は、ベース車両に対しておよそ2秒短縮しているという。