F1とINDYCAR、それぞれが「バーチャル代替シリース」を展開…そこでインディもてぎ戦“復活”の可能性も

写真は2019年の「F1 Esports Series」、プロドラフトというイベントの開催時。
写真は2019年の「F1 Esports Series」、プロドラフトというイベントの開催時。全 4 枚

新型コロナウイルス問題の影響で、2020年シーズンをスタートさせられずにいる「F1」と「INDYCAR(インディカー)」。それぞれがバーチャルの世界で当面の代替シリーズをファンのために展開することとなった。

本来ならば、「FIA F1世界選手権」も「NTTインディカー・シリーズ」も3月15日決勝の開幕戦で2020年シーズンのスタートを切っていたはず。しかしながら新型コロナウイルス問題が世界的に深刻なものとなっていく状況下、ともにレースウイークに入ってから開幕戦の開催を取りやめる事態へと陥った。現段階(日本時間3月21日の時点)でF1は5月末まで、インディカーは4月末まで、それぞれ当初予定だったレースの開催がない状態に置かれている。

そんな両トップシリーズが『今、この時代ならでは』ともいえる手法で、実車レース不開催期間もファンを楽しませる構えを取った。バーチャルの世界において、現役ドライバーたちにレースをしてもらおう、そしてファンにそれを見てもらおうというのだ(各シリーズ別個の動き)。

F1は、コードマスターズが開発した公式ビデオゲーム「F1 2019」を“舞台”にして、現役F1ドライバーらが出場する「F1 Eスポーツ・バーチャル・グランプリ・シリーズ」を展開する(F1は近年、既に公式な「F1 Eスポーツ・シリーズ」を開催しているが、それとは別のもの)。

実車の2019年F1バーレーンGP。実車の2019年F1バーレーンGP。

3月22日(日本時間23日)の「バーレーン・バーチャルGP」で開幕し、今シーズン当初日程で開催されなくなったGPを、その日程に沿うかたちで開催していくという(表現的には「延期されたGP」が対象だが、中止のモナコGPもおそらく含まれるだろう)。3月22日は現実世界における今季第2戦バーレーンGP決勝実施予定だった日にあたる。当面は5月までの開催とされるが、実車レースが開催できるようになるまでは続ける予定とも。

4~5月の当初日程には昨年開催されていなかったベトナムGP(今年初開催)とオランダGP(今年復活開催)が含まれている。「F1 2019」にないこれらのGPに関しては、別のGPをあてがう予定とのこと。また、GPの予定がない週末にはファンがF1ドライバーと戦えるような趣向も用意していくそうだ。

「インディカー iRacing チャレンジ」では、エアロスクリーン装着の“今季仕様マシン”が使用できるという(写真は今年2月、合同テスト時のインディカー実車)。「インディカー iRacing チャレンジ」では、エアロスクリーン装着の“今季仕様マシン”が使用できるという(写真は今年2月、合同テスト時のインディカー実車)。

なお、この「F1 Eスポーツ・バーチャル・グランプリ・シリーズ」はあくまでファンを楽しませるためのものであり、いつか行なわれる予定の実車レース延期戦とは“別の話”である。実車F1のワールドチャンピオンシップポイントが与えられることもない。

一方、インディカーはレーシングシミュレーターの「iRacing」と組み、やはり現役インディカードライバーらが参戦する「インディカー iRacing チャレンジ」を3月28日(日本時間29日)から毎週末、実車レースの当初日程の有無に関わらず開催していく。5月2日までの毎土曜に6レースを実施する予定。コースについては“当初日程合わせ”の場合もあれば、そうでないケースもあり、“ランダムセレクト”などとされている週も見られる。

実車の2010年インディもてぎ戦。実車の2010年インディもてぎ戦。

3月28日の「インディカー iRacing チャレンジ」開幕戦はファン投票でコースが決まる。候補コースが当初8つ用意されており、ファン投票によるトーナメント戦で決定される仕組みだ。その候補のなかには、実車のインディレース開催から遠ざかっている「MOTEGI」の名も。

オーバルコース(スーパースピードウェイ)とロードコースを有するツインリンクもてぎ、投票対象はオーバルの方だと思われる(インディもてぎ戦は2011年が最後で、同年のみロードコースでの開催。2010年までは常にオーバル戦だった)。並み居る強敵を相手に勝ち抜くことができれば、久々のインディもてぎ戦がバーチャルの世界で実現する。

バーチャル戦の視聴方法等については各シリーズ公式サイトを参照されたい(情報の推移にも留意を)。米国ではNASCARもiRacingと組んでバーチャル代替シリーズを展開と、遠隔参戦も可能な最新テクノロジーを駆使してこの窮地にもファンを喜ばせようという試みは、モータースポーツ界で(シリーズ公式のものに限らず)多面的な広がりを見せつつある。

《遠藤俊幸》

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