新型コロナクラスター追跡対策…レイ・フロンティアがライフログアプリ「SilentLog」の有料機能を無料開放

ライフログアプリ「SilentLog」
ライフログアプリ「SilentLog」全 3 枚

レイ・フロンティアが、自分の行動履歴を管理してくれるアプリ「SilentLog」の有料機能を4月3日から30日の間、無料版、有料版含む全ユーザーと、期間中に登録したユーザーに無料で開放すると発表した。

【画像全3枚】

ライフログアプリは、位置情報をベースにその日の行動を記録してくれる。業務で日報を管理したり健康管理など、もっぱらプライベートで活用するものだ。リストバンド式のバイタルメーターではなくスマホを利用するので、位置情報も細かくとれるのが特徴だ。

3月31日に、政府は、新型コロナウイルスのクラスタ(感染者集団)を発見、把握するため、通信事業者や大手IT企業に対して、利用者の履歴情報など統計データの提出要請している。提出は任意で法的な拘束力はないが、ヤフー、通信事業者のいくつかはプライバシーなどに配慮しながら方法を検討するとしている。LINEは、独自に健康状態のアンケートを実施した。

また、4月1日の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の会見では、「感染を収束に向かわせているアジア諸国のなかには、携帯端末の位置情報を中心にパーソナルデータを積極的に活用した取組が進んでいる。感染拡大が懸念される日本においても、プライバシーの保護や個人情報保護法制などの観点を踏まえつつ、感染拡大が予測される地域でのクラスター(患者集団)発生を早期に探知する用途等に限定したパーソナルデータの活用も一つの選択肢となりうる。」と提言が披露された。

その背景として、「世界各国で、「ロックダウン」が講じられる中、市民の行動変容とクラスターの早期発見・早期対応に力点を置いた日本の取組(「日本モデル」)に世界の注目が集まっている。」にもかかわらず、「保健所及びクラスター班への強化が、未だ極めて不十分なので、クラスターの発見が遅れてしまう例が出ている。」とSOSを発しているのだ。

「ただし、当該テーマについては、様々な意見・懸念が想定されるため、結論ありきではない形で、一般市民や専門家などを巻き込んだ議論を早急に開始すべきである。」として、強権的な利用は求めず、主にプライバシーに配慮した運用のコンセンサスを形成されることを望んでいる。

レイ・フロンティアのアプリ(SilentLog)は、個人が自分で履歴を残すためのアプリであり、本人が自主的に残すデータだ。今回の無料開放も、そのデータを行政に提供するための措置ではなく、本人が診察を受けるとき、医療現場の問診や記録を支援することが目的といえる。

レイ・フロンティア代表取締役 田村建士氏は、発表のブログで、「自分自身や身の回りの人への備えとして、当面の「自分の行動を記録しておく」ことを強く訴えたい」と述べつつ、利用するログアプリは自社製のものにこだわらないとも述べている。

有料版は、アプリのロック機能(PINコード、FaceID、TouchID)や天気情報の記録機能も使える。感染拡大対策としては理にかなっている開放といえるだろう。思えば、東日本大震災のとき、ホンダがインターナビのプローブカーの情報を活用して「通行実績情報マップ」をいち早く開放した。この動きにトヨタなども加わり、現在、大地震や大規模災害での活用が定着している。

自分のための行動が、家族や多くの人の安全につながるなら、ライフログアプリの利用は考えてもいいだろう。

無料開放は、いまのところ4月30日までとなっているが、田村代表は状況に合わせた延長に含みをもたせている。各社からのお知らせをウォッチしつつ設定変更や利用解除できるようにしておくとよい。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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