緊急事態宣言直前、誰もいない東京都心と千葉の意外な特需[フォトレポート]

東京駅 東海道新幹線 南のりかえ口(2020年4月5日17時ごろ)
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新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府が緊急事態宣言を出す意向を固めた前日の4月5日。通常は大混雑する日曜日の夕方の舞浜・東京・秋葉原の3駅を歩くと、自覚していたつもりでも呆然としてしまう光景があった。

まずは、東京ディズニーリゾートの最寄り、舞浜駅。春の日曜日の夕方というと、卒業旅行や春休み、さらに週末の家族連れでホームに乗降整理人員が出るほど混雑する。

この日の舞浜は、家族連れもカップルも、ディズニーアイテムできめた女子たちの姿はひとりもいない。いるのは従業員やスーツ姿がホームに10人前後。

京葉線の電車内も、ロングシートの端に座る人が数人で、その端席すら空いているところもある。1両あたり7人前後しかいない。車内には、「この先の駅の停車中に換気のために空調を調整します。ご協力をお願いします」という車掌のアナウンスが流れている。

17時の東京駅を歩いてみると、思わず「マジか」と口に出ちゃうほど、誰もいない。開いた口が塞がらない光景は、東海道新幹線のりかえ口。とくに京葉線のりばと東海道新幹線のりばを結ぶ南のりかえ口は、普段の日曜日夕方であればまっすぐに歩けないほど人でごった返す混雑エリアなのに、この日は人の姿がない。

行列ができる新幹線有人カウンターも、指定席・自由席券売機にも、誰もいない。いるのは、JR東海とJR東日本の新幹線改札口担当のスタッフだけ。在来線ホーム階へあがると、品川を出た特急ひたちが入ってきた。

東日本大震災の不通区間が復旧し、ふたたび常磐線が全通。東京と仙台を直通する特急ひたちがこの3月に走り出し、当時はニュースで取り上げられたけど、この日の特急ひたちE657系車内は1両に2~5人ほど。山手線の車内もロングシートの端席に人がいる程度。そんながらがらの電車が1~2分おきにやってくるから、不思議な感覚に……。

秋葉原はちょっと違った。秋葉原UDX側へと出るガンダムカフェ前駅前広場は、東京や舞浜と同じく人の姿はなかったけど、メインストリート 中央通りや野郎ラーメンから末広町へとのびる秋葉原ジャンク通りは、インバウンドやPC通の人たちの姿がちらほら。パソコン工房のスタッフは「好きな人はいまを狙って来店する人もいる」と教えてくれた。

こうしたタイミングで「土日10%引き」や特別セールを展開する秋葉原と、似たようで違う動きがあるのが、埼玉や千葉の、都心から2時間程度で行けるドライブスポット。桜や菜の花が道端を彩る房総の南側、安房鴨川・館山のガソリンスタンドに聞くと、「4月4・5日は、輸入車や県外ナンバーの客で増えた」といった意外な声が聞こえてきた。

「客の声を聞いてると、『家にずっといるぐらいなら、車外に出ずにひたすらドライブしてみよう』といった東京・神奈川・埼玉などのドライバーが房総を走りにきてるみたい。誰とも接触せず、クルマで走るだけという客が、この土日に多く訪れた感じ。こうした(客の)入り方も初めてみた」(国道128号沿いガソリンスタンド店員)

《大野雅人》

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