286万円の「ダイヤキー」に車内用FAXも!かつて採用された驚きの装備【懐かしのカーカタログ】

インフィニティQ45と、日産プレジデントJSの「ダイヤキー」
インフィニティQ45と、日産プレジデントJSの「ダイヤキー」全 9 枚

クルマの装備というと、やはり高級車のカタログを覗くのがおもしろい。今回は往年のプレステージカーに備わった、典型的な高級装備を見ていこう。

ダイヤキー
・日産プレジデントJS(1994年)

インフィニティQ45と、日産プレジデントJSの「ダイヤキー」インフィニティQ45と、日産プレジデントJSの「ダイヤキー」
ベースとなったインフィニティ『Q45』でも“ゴールドキー”が設定された(確か50万円ほどした)が、『プレジデントJS』のカタログには、わざわざ厚紙の別刷りで“ソフィエール・ダイヤキー”のパンフレットが挟み込んであった。

スターリングシルバーとプラチナがあり、ダイヤモンドはサイズが複数用意されたようで、最大の1カラット(G-VS1)は、何と286万円の希望小売価格(税抜き)とある。クルマは落としてなくすことはまずないが、もしもこのキーを落としてなくしたら、いったいどんな気分になったのだろう?

自動車ファクシミリ
・トヨタ・セルシオ(1989年)

トヨタ・セルシオ(1989年)トヨタ・セルシオ(1989年)
今ならスマホが1台あればほとんどの用が済む時代。だが初代『セルシオ』が登場したのはまさに自動車電話が普及し始めた頃で、当然、アームレストにクレードルを設置するスタイルの電話が用意された。カタログの文面には、コードレスタイプやハンドフリーの音声認識タイプも用意とある。グローブボックスに設置する自動車ファクシミリも懐かしい。

クーラーボックス
・マツダ・ルーチェ(1986年)

マツダ・ルーチェ(1986年)マツダ・ルーチェ(1986年)
プレステージ・セダンつながりでもう1台、マツダ『ルーチェ』の「ロイヤルクラシック」の装備の中からもひとつご紹介しておこう。それは「クーラーボックス」で、リヤパッケージトレイ(パーセルシェルフ)に設置され、“缶ジュース5本が入る”と記述がある。写真でもおわかりのとおり、やはりこの頃に出回り始めた「空気清浄器」とセットのデザイン。クーラーボックスは他車で温める機能をもつタイプもあった。

モータードライブスイングルーバー
・マツダ・コスモ(1983年)

マツダ・コスモ(1983年)マツダ・コスモ(1983年)
『ルーチェ』と兄弟車となった当時の『コスモ』は、2ドアハードトップ、4ドアハードトップ、そして4ドアセダンのバリエーションを展開する上級モデルだった。勢い、装備の充実度の高さはご多分に漏れないものだったが、その中でユニークな機能のひとつだったのが「モータードライブスイングルーバー」。

インパネ中央の空調吹き出し口からの風を左右に“首振り”させるもので、スイッチでオン/オフができた。筆者も当時、試乗車に乗ったが、乗り込んで最初にスイッチを入れた瞬間に「ほぉ!」と感心したことだけ覚えている。

左右調節式リヤヘッドレスト
・トヨタ・クレスタ(1984年)

トヨタ・クレスタ(1984年)トヨタ・クレスタ(1984年)
“最高級パーソナルセダン”を名乗った『クレスタ』は、バーガンディレッドの当時の典型的なゴージャスな室内空間を誇った。当然シートも機能が充実し、スーパールーセントなど上級仕様の運転席は、座面前後独立式の高さ調整ほか、サイドサポート、ランバーサポート、ヘッドレストの前後調整などを備えた。

一方でリヤには、外側に45mm、内側に10mm(上下も45mm、)、つまり横方向に調整可能な左右調整式リヤヘッドレストをトヨタ車で初採用。カタログには“体をずらして座った時にも、最適なヘッドポジションが得られます”との表記が。体をずらして座ることが自動車の乗車姿勢として最適かどうか……の話は別として……。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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