【トヨタ カローラツーリング 新型試乗】アクア並みに売れている!ワゴン好きも納得の走り…渡辺陽一郎

ワゴン好き注目のカローラツーリング

セダンと比べても剛性不足は感じない

年間走行が1.5万km以下なら「S」、以上ならハイブリッドの「W×B」も

トヨタ カローラツーリング
トヨタ カローラツーリング全 15 枚

アクア並みに売れている!ワゴン好き注目のカローラツーリング

クルマの栄枯盛衰を振り返ると、近年のワゴンは売れ行きと車種の数を大幅に減らした。日本では車内が大幅に広いミニバンに押され、北米ではSUVに需要を奪われた。その結果、国産ワゴンの車種数は激減している。

しかしワゴンはセダンと同じく天井が低いから、低重心になって走行安定性を確保しやすい。ボディの後端にはリヤゲートが装着され、荷物の出し入れもしやすい。ミニバンと違って大きな荷物は積めないが、走りの良さと荷室の使い勝手を両立させた。欧州はワゴンのこの特徴に注目している。日常的に高速走行の機会が多いため、今でもワゴンが豊富だ。

そしてワゴン好きのユーザーに注目される日本車が『カローラツーリング』だろう。2019年の発売だから売れ行きも好調だ。2020年3月にはカローラツーリングだけで、『アクア』と同等の約8000台が登録され、カローラシリーズ全体の半数を占めた。

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セダンと比べても剛性不足は感じない

カローラツーリングの走行性能は、全長が4500mm以下のワゴンでは最も優れている。安定性が高く、下り坂のカーブを曲がる時も不安を感じにくい。ステアリング操作に対して車両の向きが比較的正確に変わり、峠道も走りやすい。ワゴンはセダンと違って後席と荷室の間に隔壁を備えないが、剛性不足を感じる機会はほとんどない。

ただしノイズは少し気になる。特に17インチタイヤの「W×B」グレードは、タイヤが路上を転がる時に発する音がやや大きい。走行速度が低い市街地で目立つ。その代わり17インチは、15/16インチに比べて操舵に対する反応が少し機敏だ。グリップ性能も高まってカーブを曲がりやすく、高速道路の直進安定性も向上する。

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年間走行が1.5万km以下なら「S」、以上ならハイブリッドの「W×B」も

エンジンは1.8リットルのノーマルタイプとハイブリッド、1.2リットルターボを用意した。1年間の走行距離が1.5万km以下なら、16インチタイヤを履いた1.8リットルノーマルエンジンの「S」(221万6500円)を推奨する。高速道路を中心に1.5万km以上を走るなら、ハイブリッドの「W×B」(279万9500円)も検討すると良いだろう。

なお後席はセダンと同様に狭いから、購入する時は居住性を確認したい。荷室の奥行寸法も、従来型の『カローラフィールダー』に比べて50mm短くなった。機能的には5ドアハッチバックの『カローラスポーツ』をベースに、荷室を120mm拡大したのがカローラツーリングと考えれば良い。積載性はワゴンとハッチバックの中間に位置する。

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■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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