カルマの次世代電動車向け車台、ピックアップトラックにも拡大展開へ

バッテリーの蓄電容量は80kWh

発電専用エンジン併用で航続は最大797kmが目標

同じ車台から最大22のバリエーションが展開可能

カルマの次世代電動車向け車台「カルマEフレックス」
カルマの次世代電動車向け車台「カルマEフレックス」全 6 枚

カルマオートモーティブ(Karma Automotive)は5月14日、2モーター全輪駆動(AWD)と、レンジエクステンダーEVアーキテクチャを備えた最新の「カルマEフレックスプラットフォーム」を発表した。

カルマオートモーティブは、プラグインハイブリッド(PHV)の4ドアスポーツカー、『カルマ』を製造・販売していたフィスカーオートモーティブの破産後の資産を買収する形で、2014年に米国カリフォルニア州に設立された。現在、カルマ後継車の『レヴェーロGT』などを生産・販売している。

バッテリーの蓄電容量は80kWh

この最新のカルマEフレックスプラットフォームでは、幅広い車種に導入できるレンジエクステンダーEVとフルEV向けのローリングシャシーを使用している。カルマオートモーティブの今後の技術的方向性を示唆するために設計された5つのデモプロジェクトの最終作だ。

カルマオートモーティブのカルマEフレックスプラットフォームは、幅広いソリューションを視野に設計されており、ピックアップトラックやSUV、ラストマイル配送車などに使用できるという。

「AWD エクステンディッドレンジ」と名付けられたカルマEフレックスプラットフォームでは、フロントとリアにそれぞれモータードライブユニットを搭載し、4輪を駆動する。このプラットフォームには、カルマオートモーティブが新開発した炭化ケイ素(SiC)インバーターeドライブシステムが採用されており、蓄電容量80 kWhのフラットフロアバッテリーが搭載された。1回の充電での航続は、最大386kmを達成することを目標にしている。

発電専用エンジン併用で航続は最大797kmが目標

また、バッテリー残量が少なくなると、発電専用のエンジンが始動する。バッテリーを充電するとともに、モーターに電力を送る。これにより、航続を最大797kmへ伸ばすことを目指している。

すべてのカルマオートモーティブのカルマEフレックスプラットフォームは、独自のテクノロジー、製造、設計サービスを活用して、革新的な電動モビリティソリューションをパートナーに提供するという。カルマ Eフレックスプラットフォームを使用すると、自動車メーカーは開発コストを抑えながら、フルEVやレンジエクステンダーEVを設計、テスト、開発でき、より速くかつ効率的に車両を電動化できるという。

同じ車台から最大22のバリエーションが展開可能

AWD エクステンディッドレンジと名付けられたカルマEフレックスプラットフォームは、すべてのカルマEフレックスプラットフォームの中で最も長い航続を可能にしており、さまざまな市場ニーズに合わせて実用化できる。たとえば、ピックアップトラックに組み合わせた場合、このプラットフォームのレンジエクステンダーEVテクノロジーにより、より急な勾配を登ったり、すべての走行パターンでより優れたパフォーマンスを得たりすることができるという。

カルマEフレックスプラットフォームは、カリフォルニア州モレノバレーにある同社の工場、「カルマイノベーション&カスタマイズセンター(KICC)」で開発されている。すべてのカルマEフレックスプラットフォームは、市販モデルのレヴェーロGTで実績のあるテクノロジーを搭載する。具体的には、モーター、ギアボックス、サスペンション、サブフレーム、ステアリング、ボディ構造部品などだ。部品は、160万kmを超えるテストと市場での検証を経ている。カルマのノウハウと車両テクノロジーが、各プラットフォームに搭載されている。

カルマ Eフレックスプラットフォームは、自動運転のユーティリティバンから、高性能スーパーカーまで、幅広い車種に対応できる柔軟性を備えているのが特長だ。カルマオートモーティブによると、カルマ Eフレックスプラットフォームは、さまざまなバッテリーやモーター駆動ドライブシステムをカバーする最大22のバリエーションが展開可能という。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スバル『アウトバック』新型、約515万円から…年内米国発売へ
  2. 日産『GT-R』生産終了、4万8000台を製造し18年の歴史に幕…次期型に知見継承へ
  3. レクサス『LM』対抗!これがメルセデスベンツ最高級ミニバン、『Vクラス』後継の最終デザインだ
  4. マツダ『ロードスター』35周年、歴代4モデルのピンバッジを先行販売…8月29日から
  5. 下請法が「取適法」に…2026年1月施行の改正ポイントは?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る