[サウンドチューニング・イコライザー編]本格タイプの操作方法 その6…低い音から整える

プロセッサーの設定風景(JLオーディオ)。
プロセッサーの設定風景(JLオーディオ)。全 1 枚

車内の音響コンディションを改善できる頼れる存在「サウンドチューニング」に関して、多角的に考察している当コーナー。現在は、本格タイプの「イコライザー」の扱い方を解説している。今回は、とある注意事項について説明していく。

さて、これまで本格タイプの「イコライザー」の操作のコツをあれこれと解説してきたが、今回は、それらを行う上での共通の注意事項を説明しておこうと思う。

結論から入りたい。「イコライザー」を操作する際には、以下の事項が鉄則となる。それは、「低い音から整える」、だ。

理由を解説するにあたりまず、音の成り立ちについて説明しておきたい。楽器の音や人の声は、「基音」と「倍音」で成り立っている。この「基音」とは音程を決める成分であり、「倍音」とは音色を決定付ける成分である。で、「倍音」は「基音」に対して「整数倍」の周波数となっている。

例えば、楽器のチューニングで使われることの多い「ラ」の音は、「基音」が440Hzだ。そしてそれに対して2倍の880Hzの音や3倍の1.32kHzの音等々が「倍音」となって「基音」に重なっている。なお、この「倍音」の重なり方は、楽器ごとで異なっていて、さらに言えば、演奏者ごと、そして演奏される瞬間ごとでも微妙に変化する。こうしてそれぞれ個性ある音色が生み出され、音楽となる。

というわけなので、「イコライザー」の調整をするにあたっては、「高い音から」調整するのはNGとなる。なぜならば、高い音を整えた後に低い音の状況を変えてしまうと、その変化に付随して「倍音」の乗り方も変わり、せっかく整えた高音の響き方が変わってしまうことがあるのだ。なので「低い音から整える」ことが鉄則となるのだ。

また、これに関係して以下のようなことも起こり得る。例えば、1.2kHzの音に嫌なピークが出ているように感じられるとき、それを取り除こうと相応するバンドを下げてみてもその嫌な感じが解消されないことがある。そんなときはその半分の600Hz、さらに1/3の400Hzに相応するバンドを少し下げてみる。そうすると1.2kHzに出ていた嫌なピークが取れたりすることがあるのだ。このように、「高い音の乱れは低い音が原因となっている」こともある。覚えておこう。

今回はここまでとさせていただく。次回も本格的なタイプの「イコライザー」の調整方法解説を続行する。お楽しみに。

『ザ・サウンドチューニング』 第2章・イコライザー編 その10 “本格タイプ”の操作方法 Vl

《太田祥三》

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